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2007 年 10 月 31 日    
発達障がい早期総合支援モデル事業
〜福祉教育委員会・大田原市視察レポート〜
1、モデル事業の概要
 文部科学省では、平成19年度より、教育委員会が、医療、保健、福祉等の関係機関と連携し、発達障がいに関する早期からの総合的な支援の在り方について実践的な研究を行うため、モデル地域を指定し、「発達障がい早期総合支援モデル事業」を実施している。
 その背景には、小・中学校の通常の学級に在籍している児童生徒のうち、LD(学習障がい)、ADHD(注意欠陥/多動性障がい)、高機能自閉症等の発達障がいにより学習や生活の面で特別な教育的支援を必要としている児童生徒が年々増加傾向にある実態がある。平成14年に文部科学省が実施した全国実態調査では、約6パーセント程度の割合で在籍している可能性が示されており、こうした子どもについては、できるだけ早期に支援を行うことにより、障がいの状態がより改善されることもわかってきている。
 このため、平成17年4月に施行された発達障がい者支援法においても、発達障がいの早期発見・早期支援を行うことが国及び地方公共団体の責務として明記されており、早急に必要な措置を講じることが求められている。

2、大田原市における取り組みの概要
 大田原市では、平成16年度より実施してきた5歳児を対象とした5歳児健康診査と就学指導と連携し、発達障がいの早期発見・早期支援体制の構築を進めてきた経過があり、本年度はモデル地域の指定を受け更なる充実を目指している。
 特徴的な取り組みとしては、@早期総合支援モデル地域協議会の設置 A発達相談・支援教室の設置 B講演会・幼保小合同研修会等の開催 C5歳児健診を核とした早期発見・早期支援システムの構築 D学校への円滑な移行方法の工夫 など。特に、国際医療福祉大学やその付属病院・リハビリセンターなどの地域の教育機関や医療機関の協力が得られるたこと、さらに有効に活用しようという相互の熱意が重要なポイントとなっている。

3、これまでの実績
 市内全5歳児を対象とした5歳児健診及び乳幼児を対象とした発達相談を実施した結果、子どもたちの発達上の課題が明らかになり支援体制がとれるようになってきた。保育者、教師はもとより、保護者の理解も深まりつつあり、5歳児健診結果を生かした就学へのスムーズな移行ができるようになってきている。
 文部科学省の指定を受けたモデル事業としては今年始まったばかりで、目に見える形で実績を示すには至っていないが、大田原市での取り組みは平成16年度からの積み重ねがあるので、来年度は追跡調査の結果も出して数値的な評価をしたいとのことである。

4、まとめ
 今回の視察に当っては、5歳児健康診査をする保健福祉部と、就学指導をする教育委員会から、それぞれの担当者が並び、文字通り「連携良く」説明してくれたのが印象的であった。
 文部科学省の報告の通り、また大田原市とも同様に、安曇野市の小・中学校の状況を見ると、発達障がいを抱える児童・生徒は、小学校1年生から中学3年生まで、どの学年にも在籍している。また、発達障がいの児童・生徒数も増加してきている。

 私は「早期発見・早期療育(教育支援)」はいいことだという思い込みがあって、安曇野市でも5歳児健診を取り入れたらどうかと考えたことがあるが、しかし、前例を調査してみたり、経験のある人から話を聞いてみたところ、そう簡単にはいかない現実が見えてきた。つまり、早期発見といっても実際には障がいのあるなしの見極めは難しく、きちんと判定できる専門家は少ない。あやふやな判定による悪影響がないとはいえない。
 また、仮に早期発見できたとして、その後の指導も誰にでもできるというものでもないし、確立された方法があるわけでもない、など課題は増すばかりであった。

 現在安曇野市では3歳児健診で発育・発達にちょっと遅れがあるかなという心配のある子どもについて、継続してその後の成長を見ていくために「遊びの教室」を開いているが、それをどういった形で充実させていけばいいか、まずそれが大きな課題であった。大田原市で行なっている5歳児検診の詳しい内容から、安曇野市の発達障がい児の早期支援体制の構築に向けての手掛かり・ヒントを得ることができた。地域の教育機関や医療機関の協力が得られている点は、安曇野市にそのまま当てはめることはできないが、県立こども病院との連携・協力の可能性は考えられそうだ。


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