穂高町議会3月定例会・一般質問(その三)

新保健福祉センターと女性相談事業について

 女性差別撤廃条約が批准され、男女雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法の成立など、女性に対する法律の整備は進みつつありますが、離婚やドメスティック・バイオレンスなどの増加、育児不安や児童虐待、パートなど不安定雇用での差別やリストラなど、女性を取り巻く状況は決してよくなったとはいえません。女性なるがゆえの悩みごと、困りごと、人権問題はかえって増加しているのではないでしょうか。
 町では人権・行政相談、心配事相談、教育相談など行われていますが、残念ながら女性専門の相談窓口はまだありません。穂高町に限らず近隣の町村にも女性相談の公的窓口がないので、松本市や塩尻市、あるいは県の窓口への相談が年々増えているということです。これは穂高町にも潜在的に相談を必要としている女性が、たくさんあるということを示すものです。
 現実に町の保健福祉課には、問題を抱え切羽詰って助けを求めてくるケースもあり、母子福祉や生活保護などのできる限りの対応をしていただいていますが、それぞれ複雑な事情を抱えた女性の精神的な支えになるところまでは難しい状況です。
 ドメスティック・バイオレンスの増加や顕在化、離婚が原因の母子家庭の増加、子育てや介護などの負担や重圧、雇用不安などにより、女性の相談はますますふえることが予想されます。穂高町でもこうした状況を踏まえ、女性のための相談窓口を設置すべきだと考えます。
 穂高町の男女共同参画計画には、女性の心と体の健康支援として相談体制を充実しますと明記されています。新しい保健福祉センターも着工の運びとなりました。そのプランにはプライバシーに配慮した相談室も盛り込まれています。女性相談事業の実施に向けて動き出す時が来ていると思いますが、いかがでしょうか。