種まき通信より〜穂高町議会傍聴記③

小林じゅん子の議会だより「種まき通信」より

【2004年9月定例会(穂高町の“ペッ四十“さんのご意見)】
 原則として平日の昼間に開かれる議会の傍聴など、普通の人はなかなかいけません。それでいて開かれた議会だとか、大勢の人に傍聴して欲しい、などと言っても説得力ありません。できるだけ多く傍聴できるような日時に議会を開催することが必要、と、かつては思っていました。
 しかし実は多くの議員にとって「議会は傍聴されては困るものである」、と確信するにいたりました。

 9月6日、なんか面白い番組はないかなあ、冬ソナもやってないし、と飲みながらチャンネルを回していたらCATVでその日に開かれた議会を放送していました。
 議員様がたどたどしいお言葉、何を言いたいのかわからない区切りのないセンテンス、かつ原稿の棒読みでご質問をなさる。
 さらに輪をかけて長い要点のはっきりしないご答弁を、ひな壇に座った表情のないお方たちがお答えになる。そのお答えに何も反論せず議員様はご質問を終わらせる。
 質問するほうは何を質問したいのかわからず、答えるほうも何を答えるのかわかっていません。両方わかっていないので、見ているほうも何もわからないのです。とにかく彼らは「自分の言葉を持っていない」のです。

 議員の役目のひとつは立法です。そのために町の施策に対しての検証、議員提案、必要があれば条例作りなどをしていきます。それが一般質問の場です。その前提条件となるのが、住民から広範な意見を聞くことであり、取材と調査です。票につながる人と会ったり飲んだりするのではなく、町の問題点を知るために人と会い、調べることです。
 また議員の立場を利用して、行政のやろうとしていることを事前チェックするなど、住民の意見を代弁するのが議員です。それをしなかったら議員の意味がありません。
 ふと思いました。「議員は傍聴されれば自分がしていることを見られてしまう、だから本当は傍聴されたくないのではないだろうか・・・」

 でも、みなさん一度は傍聴に行ってみましょう。行けなくてもCATVを見てみましょう。そのことが彼らの意識改革になるかもしれません。ささやかな希望です。