指定管理者制度

広報編集委員会、全員協議会、臨時会で一日が終わる

 朝9時半から広報編集委員会があり、「安曇野市議会だより」の校正作業。事務局も含め10人がかりで取り掛かるも、昼までには終了せず、明日に持ち越しとなってしまいました。校正の難しさ大変さを痛感しました。

 午後1時半からは全員協議会。議題は、第1回安曇野市議会臨時会に提案される議案3件について。いずれも指定管理者制度を採用した条例に関するものでした。
 指定管理者制度、この耳慣れない名称の制度について解説しておきます。私自身がまだ充分理解しているとはいえず、もっと勉強しなければいけませんが、ざっと次のようなものです。
 2005年9月に地方自治法の一部が改正され、「公の施設」(社会福祉施設、スポーツ施設、文化施設など、住民の福祉を増進する目的で設置された施設)の管理方法が「管理委託制度」から「指定管理者制度」に移行することになりました。これは、多様化する住民ニーズに、効果的・効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を進めることを目的としたものです。
 「公の施設」の管理運営については、これまでは地方公共団体の出資法人のうち、一定の要件を満たすもの(2分の1以上の出資等)、公共団体(一部事務組合、土地改良区等)及び公共的団体(農協、社会福祉法人等)だけにしか委託することができませんでした。
 それが、指定管理者制度の導入により、今後は民間の事業者、NPO法人、ボランティア団体などが指定管理者になることで、管理を代行することができるようになったのです。広く公募し、費用、企画などの提案内容から判断して、それぞれの施設によりふさわしい管理者を決めていくことになります。(ただし、市の直営がよいと判断される場合もある。また適当な指定管理者がみつからない場合には直営にせざるをえないこともある。)

 となると、この制度は、小泉首相が進める構造改革の流れ「官から民へ」の一環として位置づけられるような気もします。民間の効率的な手法を「公の施設」にも活用することで、経費削減や利用者に対する質の高いサービスなどを期待しているのでしょう。
 しかし、このような期待の一方で心配される点も多々あります。指定管理者制度のもとで、施設の運営に関する情報公開や、住民監査請求や議会のチェックが及ぶような手続きが法的に保障されていません。指定管理者には毎年事業報告書の提出が義務付けられていますが、議会への報告義務はありません。税金でつくった施設で民間の会社が「利益をあげる」というようなことができるとすれば、とんでもないことです。
 また、公募が原則と言いますが、どうやって審査するのか、公正な選定のためにどうしていくのがよいか、あるいはこれまでの実績があるところに決めるのはどうなのか、難しい問題です。

 安曇野市では合併時点で500以上の市有施設があり、そのうち9施設については既に指定管理者の管理となっていますが、62施設の管理は市の出資等法人、公共的団体等に委託しています。指定管理者制度導入されていない施設では、今年9月2日までに施設の廃止、市の直接管理、指定管理者制度導入のいずれかに決定しなければなりません。
 そのようなわけで、今回の臨時会に限らず、今後次々と指定管理者制度に関わる議案が出てくると思われます。議員として、議会として、それぞれの施設にふさわしい指定管理者を見極め、その運営をチェックしていくことの難しさ、責任の重さを感じているところです。