2006年度安曇野市一般会計予算

予算採決にあたっての小林じゅん子の賛成討論

 2006年度安曇野市一般会計予算に対して、賛成の立場から討論いたします。 
 合併元年、新市としての初の本格予算ですが、合併前にさかんに喧伝された「合併すれば負担は低く、サービスは高く!」の、キャッチフレーズを思い出し、こんなはずではなかったと複雑な心境の市民が多いのではないでしょうか。
 「合併の財政効果なし」とも見える予算案ですが、これは安曇野市の合併を冷静に見つめてきた者にとっては、当然の成り行きといえます。
 しかし、このような厳しい財政状況にあっても、住民生活に直結したサービスの充実に努め、合併前の水準の施策を維持しようと努力していることに対しては一定の評価をしたいと思います。部分的には賛成しかねる点もあり、100%納得はできませんが、今後の見直しと改善に期待しながら、あえて賛成の立場をとるものです。

 それでは、その100%納得しかねる点ということで、負担金、補助金の内容が気になりましたので、いくつか例を挙げておきます。
 まず、市の社会福祉協議会や5つの地区社協支部に対する補助金です。1億1千万円あまりが計上されています。地域福祉に果たす社協の役割は重要なものですが、介護保険制度の導入後の現在にあっては、社協の位置付けも見直されなくてはなりません。市として補助金を出すだけでなく、社協が抱えている課題、目指すべき方向性、運営・経営の考え方について、市も積極的に関わって論議し「事業型社協への転換、補助金に頼らない社協運営」の後押しをしていく必要があります。

 次に、穂高広域施設組合・穂高クリーンセンター管理運営のための負担金です。安曇野市が直接行っている事業ではありませんが、その事業の重要性や11億8千万円余の大きな金額を考えれば、その内容にまで目を行き届かせなければなりません。
 現在、穂高広域施設組合ではバイオマスエネルギー地域システム化実験事業の計画があります。実験施設建設は経済産業省からの100%補助でできますが、その後の維持管理にはかなりの費用がかかるようです。また、最終的に実用化ができず、施設取壊しとなった場合の費用は、2000〜2500万円が組合負担となるハイリスクな事業です。
 また、この実験事業で大事なことは施設の建設をどうするかということよりも、そこにどうやってゴミを集めるかということに大きな課題があります。この施設で処理できるのは生ゴミ、紙のゴミ、剪定木で、きちんと分別されたものでなければなりません。そういったことを住民に理解してもらいゴミの分別を周知徹底し、必要な量を確保し送り込む、これが実に大変な作業となります。
 実験事業の対象地域は安曇野市にあるというのですが、組合と安曇野市との連携は不充分で、今後の安曇野市のゴミ処理に有効なものかはたいへん疑問です。市として、この実験事業の見直しを求めるべきと考えます。

 もう一つは、文化財団への補助金です。
 安曇野市文化財団は豊科近代美術館など4施設を管理するということで補助金として4677万円あまり、そのほかに管理委託料も2453万円が計上されています。
 財団設立の経緯、その後の財団の運営や活動には解りにくい点が多いうえに、その活動資金のほとんどを市の補助金に頼っている現状を考えれば、この財団をこのまま存続させていくことがよいか疑問に思います。安曇野市文化財団のあり方について、見直しが必要です。

 以上のような問題を指摘し見直しを求めた上で、賛成の討論といたします。