長野県知事選挙法定ビラ

立候補者の名前が見当たらない不思議なビラ

 こんな話を聞いたことがあります。「ある候補者の選挙ビラをもらった。読んでみたところ、なかなかいいことを言っていると思ったが、そのビラのどこにも候補者の名前が出ていない。思い切って、ビラにあった候補者の事務所に電話をしてみた。「ビラに名前が抜けている」と教えてあげるつもりだったが、しかし、電話に出た人は、公職選挙法により選挙期間中に配る「法定ビラ」には、候補者の名前を記載できないことになっているというのだ。私は本当にびっくりした。候補者の名前を明記できない選挙ビラとは、いったいどういうことなんだ?」というのです。公職選挙法とは何とも不思議な法律です。

 すでに、村井候補(「輝く81の会」)の法定ビラは新聞折込されましたし、田中候補(「しなやかな信州をはぐくむ県民の会」)の法定ビラも4日か5日には新聞折込されるはずですので、候補者名がいっさい書かれていないことを再確認してみてください。
 でも、よくしたもので、今回は立候補者が2人しかいないので、候補者名がなくても誰のビラかは一目瞭然です。

 そこで、ですが、今朝の市民タイムスによると、「村井陣営法定ビラ、公選法に触れる」の見出しで、弁護士2人が県選管へ申し入れをしたとありました。写真を見ていただければわかりますが、81市町村が(村井候補を)支持しているかのように見えるレイアウトになっているからです。

 私はさらに、その下に提示されている砂防関係予算の推移、治山事業予算の推移のグラフにも異議があります。「いずれも減少の一途のようにグラフ化されていますが、なにかカラクリがあるんじゃないか・・・」という問い合わせもあったぐらい。7月の豪雨災害を田中県政の失政と位置づけたいがために、恣意的に作成したグラフのように思えます。

 なぜか。よく見ると括弧付きで県単独予算と書いてあります。つまり、このグラフは、国からの補助金を使わずに県のお金だけで行った事業ということになります。
 ですから、治山や砂防に大きく関わってくる森林整備事業については、国の補助金が付いてくる予算なので、このグラフには反映されていません。(これは県の担当職員さんに確認しました。)けっして治山、治水、砂防のための予算を削ってばかりではないのです。

 環境に大きな負担をかけるコンクリートの構築物を作るより、森林整備によって「みどりのダム」を作り治山や砂防の効果をあげること、これが田中さんの政策であり、確実にそのための予算は増やしてきています。このグラフを鵜呑みにしてはいけません。