議会運営委員会で議会広報編集について協議

第6号で討論の発言者名を明記しなかった経緯について

 今日は議会運営委員会でした。私は議運の委員ではありませんが、議会だより(広報)編集について話し合ってほしい旨お願いしていたので、その件の説明と傍聴のため出席しました。
 今回は協議事項が12項目もあったのですが、なかでも「議長・副議長の会派離脱を求める要望書について」と「議会全員協議会のあり方について」が気になったので、午後1時半から始まって5時ごろまで傍聴することとなり、かなり疲れました。これが傍聴ではなく、議論に参加できていれば「疲れ」というかストレスは少なかったろうと思います。

 さて、その議会だより(議会広報)編集についての協議ですが、まず議運に諮った経緯を説明します。
 安曇野市議会だより第6号の編集のため、4月13日に編集会議が持たれたのですが、そこで「賛成討論、反対討論の内容を載せるのはいいが、発言した議員名を記載する必要はない」と強く主張する委員があり、議論となりました。
 言論の府といわれる議会ですから、賛成、反対、だれがどんな発言をしたのか、できる限り議会だよりに出していこうという方針でやってきた私としては、意外な展開で驚いたというのが正直な気もちでした。

 議員名を記載する必要はないとする理由としては、「会派制をとっている安曇野市議会としては、賛成も反対も議員個人の意見というよりは会派としての考え方であり、たまたま、ある議員が会派を代表して発言したにすぎない。会派の意見であって、議員個人の意見ではない」というものや、「市民は、賛成・反対の議論の中身を知りたいのであって、誰が発言したのかには関心はない」、「他の市議会の広報でも名前を出していないところがある」など。

 それに対し、「議会は原則公開である。議事録には発言者名も残る。会派を代表してということではなく、議員個人の意見として残る。それをなにも議会だよりで伏せる必要はない」、「議員として自分の発言には責任を持つのは当然。名前を出さないのでは、市民の目には無責任と映る」などの反論がありました。
1時間近く話し合いましたが結論が出ないので、第6号に限り発言者名の取り扱いをどうするか、意見を集約することにしました。結果、委員10人のうち6人が「発言者名を出さない」に賛成したため、第6号では賛成討論、反対討論の発言者名が省略されることになったのです。
 そして、この問題は広報の委員会だけでは決められない、議運や全員協議会(全協)で話し合ってもらいたいということで、今日の議運で協議されることとなったわけです。
 議運での主な意見としては、次のようなものでした。

・議運で決める事ではない。広報特別委員会で決めてもらえばよい。

・会派・平からは広報特別委員会に委員が出ていないので、広報特別委員会で決めてもらっていいとは言えない。全協で議論してほしい。

・自分の意見なのだから名前を出すのは当然。そこに議員たるものの存在意義があるのだから、そこは譲れない。

・本会議の議事録には「賛成だれそれ」、「反対だれそれ」と明確に残し、議員として市民に対する責任を明確にすべきである。そうしたうえで、その先の議会だよりのことは広報特別委員会で決めていけばよい。

・氏名を出すことがイヤと言っているのではない。会派の意見を代表して発言している場合もあり、そこのところを理解していない市民からは、名前だけ見て「会派のなかでも、あの人は(討論を)やった、やらない」などと評価されてしまうことになる。

・会派名なり、個人名なり、明記したほうがいいと思うが、広報特別委員会で議論して決めてもらえばよい。

・広報特別委員会で氏名は出さないと決まったとしても、会派として、我々3人は個人名を出してほしいと要求するつもりだ。

・賛成とか反対とか討論するのは自分の名前が出るからで、売名行為でやっているようなものだ。

・松本市や千曲市の議会だよりには議員名は出していない。誰が言ったかより、議論の中身を伝えるほうが大事なこと。

・議会だより第6号に対して市民から批判的な意見が寄せられているが(メール2件、電話2件)、ごく一部の人の意見であって全体的にそうだということではないと思う。

 以上ざっと書きました。私としては言いたいことがあり、委員長!と叫んで発言を求めましたが、議運委員長からは「趣旨説明に来ているだけだから、問われたら答えるのはいいが、発言はできない」と止められてばかり。それでも発言してしまいましたが・・・ まあろくに発言できませんでした。
 「売名行為」という言葉ですが、この発言にさえ委員長は何も反応しないので、私が「売名行為とはあまりに失礼な発言ではないですか・・・」と言いかけたのですが、それも聞き流されてしまいました。そのとき、誰かがぼそぼそっと「オレだって市長与党の会派に入っているし、反対するわけにもいかねえから賛成することがあるんだ・・・」というようなことを言っているのが聞こえてきました。そうか、そこが本音なのかと思い至りました。

 結局、広報特別委員会に差し戻してもう一度協議するように、という結論になりました。広報特別委員会の委員長である私としては、差し戻されても結論は変わらないと予想されるのですが・・・。それだったら全協で、一人ひとりの議員の考えかたを明確にしてもらってから決めてもらいたいと思います。そうでなければ、「私自身は○○○だけど、委員会で決まったから従わざるをえない」という言い方でぼやかせるからです。