3度目の住民監査請求

指定管理者との賃貸借契約は無効、協定書にも不備が

 本日26日午後、三郷ベジタブル関連で3度目の住民監査請求をしました。(右の市民タイムス記事をご覧ください。クリックすると拡大表示。下段には中日新聞、信濃毎日新聞の記事もあります。)

 3月21日に行われた三郷ベジタブル関連住民訴訟第2回口頭弁論で、被告の安曇野市側は「賃料(使用料)の支払日を定めることを怠ることは違法」という原告主張に対して、「これまで賃料(使用料)の支払い期日を決めていなかったが、先ごろ決めた。平成16〜21年度は賃料(使用料)支払いを猶予する。再来年3月まで払わない。さらに賃料(使用料)7138万円を平成19年から2500万円とし、22年から支払う。さらに26年から1700万円に減額する。要するに、賃料(使用料)は支払い可能な金額に下げた、支払期日も決めた。だから違法性はない」と主張。

 原告である市民側から言わせてもらえば、「民間企業ならとっくに破綻している。そんな三郷ベジタブルに賃料(使用料)支払いの猶予をしたり、賃料(使用料)を大幅に減額したり、28年間もかけて未払い賃料(使用料)を支払わせたりなど、実効性の乏しい絵に描いた餅のような計画」であり、とうてい納得のいく説明ではありません。
 そこで、賃料(使用料)支払いの猶予と賃料(使用料)の大幅減額について、改めて住民監査請求を行い、その結果によっては住民訴訟の訴訟要件に追加しようと考えました。それにしても、三セク三郷ベジタブルの施設使用料7138万円を2500万円に、その後さらに1700万円に、この大幅な減額と賃貸借契約の変更が、個別の議案として議会の議決なしでもOKとはどういうことなのだろう?という単純な疑問から、あちこち問い合わせてみました。

 安曇野市の管財課に確認したところでは、地方自治法第96条に規定されている議決事件に、この賃貸借契約は当てはまらないということでした。96条には「使用料の徴収」については議決が必要とありますが、三郷ベジタブルの施設使用料は、自治法に定めたところの「使用料」とは意味が違うようで、厳密には「利用料」と言うらしい。「利用料」なので、予算書では歳入の使用料に計上されてはおらず、雑収入の方に計上されているのです。私は、市の財産を貸し付けて得た収入だから財産収入ではないかと質問したことがありますが、そういえばその時にも「条例で定めた使用料ではなく、また、貸し付けでもない利用料なので、雑収入である」というような説明でした。

そこで、県の市町村課に聞きました。

<質問>
公の施設(行政財産)を指定管理者に貸して仕事をしてもらっている。
その賃貸借契約の使用料の金額を決めるのに議決はいらないのか。

<県の答え>
公の施設は原則として貸し付けることはできない。賃貸借契約を結んで使用料を取ることはありえない。というのです!!

<質問>
指定管理者に指定して事業を委託している。収益事業なので賃貸借契約を結んで収益の中から使用料を支払うことになっている、それではいけないのか。

<県の答え>
そういう形で指定管理者に指定する場合は、賃貸借契約ではなく協定書を作ってそのなかに使用料的なものを含め、さまざま定めることになっている。

<質問>その協定書を作っていないというので、三郷村のやり方はおかしいなと思っていたのですが、担当部長は協定書はどうしてえも必要なものではないとか言っていました。無くてもいいのか?

<県の答え>
無くてもいい場合もあるが、収益性のある事業の場合は必要です。賃貸借契約で決めるというのはおかしい。そいうやり方はしません。協定書が必要です。

<質問>96条の「使用料の徴収」には議決が必要とあるが、三郷ベジタブルの場合の使用料はこれに当てはまらないのか?

<県の答え>
わかりやすく「使用料」と言っているが、先にも話したように使用料は取れません。あくまでも、指定管理者として施設を管理し活用し収益が上がった場合に、協定に従って約束の金額を市に入れるというものです。条例で定めたところの使用料ではないので、議決は関係ありません。

 ざっとこんなやり取りがありましたが、「公の施設は原則として貸し付けることはできない。賃貸借契約を結んで使用料を取ることはありえない。」という話には驚きました。三郷ベジタブルは栽培施設を借りているのだから、賃貸借契約は当然だと思っていたからです。しかし、公の施設(行政財産)は貸し付けるのではなく、使用させてほしいと市に対して申請し許可を受ける、という行政処分の手続きによるものだということです。

 そのあと、安曇野市の指定管理者制度の担当に聞いてみたところ、「そうなんです。賃貸借契約でやっているのはおかしいんです」と認めました。「指定管理者に指定するための協定書もないので、2月頃に整えたはずです」とも。
 手続き上のこととはいえ、そんなこれまでの不備、不手際を棚に上げておいて(黙っていて)、さっさと使用料減額、支払い猶予の契約変更をした市長や副市長(三郷ベジタブル会長)は、いったい何を考えているのでしょう。
 ということで、やっぱり住民監査請求するしかないかと・・・

 本日提出の住民監査請求書(安曇野市職員措置請求書)はこちらからご覧いただけます。