はたしてこれで「改善の兆し」と言えるのか

2008年5月31日 21時18分 | カテゴリー: 活動報告

三郷ベジタブル5期上半期決算の説明は疑問だらけ

 今朝(31日)の某地方紙に「三郷ベジタブル・経営状態改善の兆し」の大きな見出しを見つけて、首を傾げてしまった。昨日の議会全員協議会で5期上半期決算の説明を受けた者としては、「改善の兆し」どころか「疑問符だらけ」でしたから。

 まずは、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」のYさんがまとめた傍聴レポートをお読みください。そのあとに私の感想や意見も付け加えていますので、併せてご覧ください。

◆上半期は赤字812万円「三郷ベジタブル」決算報告
 安曇野市のトマト栽培第三セクター「株式会社三郷ベジタブル」は08年5月30日、安曇野市議会全員協議会に対し、同社の第5期上半期決算を報告した。それによると、売上高2億2744万円を見込んでいるが、当期純利益は812万円の赤字。同社は「経営計画は、期待値を過大に見てしまった。生産見込みは達成できないと判断。棚卸資産廃棄損が1億円を超すことになった」などと説明した。
   
・生産見込みの不足分21万キロ、1億円超す
 製造原価報告書によると、トマト3品種の生産見込み不足分と実際に捨てた分は、計1億1299万円。同社は、「ハウスのガラス磨き効果が上半期では出なかった。計画生産数量を見直した結果、ラウンド、デリカ、プラムの3品種で21万キロを超す生産不足が生じ、金額で1億427万円になる」と説明した。原油高でLPガスも高騰し、計画単価の2倍を超えた。このため、ガス節約型温室環境制御に切り替えた」などと説明した。

 報告された上半期は19年9月〜20年3月の7ヶ月間。実績が示されたのは2月29日までの6ヶ月間で3月分はゼロ計上だった。このため、議員の中からは「6ヶ月と7ヶ月のデータが混在し、ガス使用料にいたっては1年分。こんなバラバラでは比較検討できない」との指摘があった。

 小林じゅん子議員は「当社の経営改善については、安曇野市出資法人あり方検討委員会が厳格な進捗管理が必要と言ってきた経過がある。2〜3カ月遅れの発表でなく、2月末締めで可能な限り早く出すよう、市として情報管理を考えるべきだ」と指摘した。
        
・見えにくい赤字の実体
 農産物は1年間単位で生産するため、半期だけでは全体判断はしにくい。このため全員協議会でも、決算の黒字見通しなどについて、突っ込んだ質問はなかった。4期まで年間7138万円だった市への地代家賃は2500万円に減額され、上半期には約半分を計上したものの、実際の支払いは22年度まで猶予しているので、赤字の実体が見えにくいのも、議会側追及を鈍らせる結果になった。しかし、同社の経営改善計画では、6期から5億円を超す売り上げで黒字転換を見込んでいる。1億円を超す生産不足は、計画破綻につながりかねないと恐れる声もある。

 新品種キャンディー・スイートの販売ルートに須藤物産が介在することへの質問も出た。安曇野菜園の三沢賢二専務は「6月に東京で交渉を進める」などと答えたが、内容は明確にしなかった。なお、三郷ベジタブルから安曇野菜園への社名変更は、5月26日の株主総会をへて移行したとしている。

 安曇野市の二木産業観光部長は、決算報告の遅れについて「遅いのは確かだが、市としても(同社に)求めてきた。出てこないので催促した」と述べたにとどまり、決算の内容や経営見通しについては、語らなかった。なお、産業観光部長の職にあるものは、これまで三郷ベジタブルの取締役を兼務していたが、今後は取締役とならないとの報告もあった。

 以上が傍聴レポートですが、「赤字の実体が見えにくいのも、議会側追及を鈍らせる結果になった」とありますが、私の心境もまさにその通りでした。企業会計には不案内なわたしとしては、説明を聞きつつ決算書の数字を追っていくのが精いっぱいで、「どうしてそうなるのか良く分からないな」、「でもやっぱり何かヘンだな」とは思うものの、確信をもった質問はできませんでした。

 全協のあと、説明資料と決算書をじっくり見てみると、「何かヘンだな」と思ったことが「やっぱりヘンだ」ったということで、疑問点がはっきりしてきました。
 まず、製造原価報告書によると、トマト3品種の生産見込み不足分と実際に捨てた分は計1億1299万円で棚卸廃棄損となっています。売上が2億2744万円ですから、半分は廃棄損で消えてしまったということか?
 第3期決算で、来期に収穫できるであろうトマトを「仕掛品」として資産に2億4000万円余り計上し黒字決算にしたことが問題になりましたが、今回は生産見込み不足分と実際に収穫したけれど規格外トマトで捨てた分が1億1299万円もの「棚卸廃棄損」になりました、と説明しているわけです。先々収穫できるであろうトマトを資産に計上して黒字決算したり、やっぱりそんなに収穫できなかった、売れなくて腐ってしまったなど、利益が出ないことにして赤字決算したり、いかようにも調整可能ではないのか?三郷ベジタブルの実態を反映した数字になっているのだろうか。

 もう一つ挙げると、売上2億2744万円に対する売上原価が1億0975万円ですが、前期までは売上高を売上原価が上回ってしまうようなひどい状況が続いていました。それが急に売上原価が半減するなんて? いずれにしろ、農業生産物を扱っていることから、第4期通期の実績と第5期下半期を単純に2倍して比べることはできないと思いますが、他にもいくつか疑問が残ります。
 というわけで、もう一度説明を聞きたいからと、三郷ベジタブルに電話してお願いしたところです。