予算の一括質疑は答える側に都合がいいだけ

質疑を深めるために会議規則の運用は弾力的に

 昨日27日は本会議質疑。3月議会は新年度予算という大きな議題があるので、質疑も時間がかかります。そこへもってきて、質疑のやり方が急に変わったので、議員も行政側もとまどう場面があり、全体的にもたついた感じは否めませんでした。(質疑するに値しない「質疑」もあったりして、それも「もたつき」の一因だったと思う)

 質疑のなにが変わったのか。安曇野市議会では、これまで本会議質疑、特に予算質疑、決算質疑においては、同一議題に限定せず、同一項目について3回を原則として行われてきました。ペラっと1ページの「公の施設の指定管理者の指定について(碌山公園)」の議案も1議題なら、400ページはあろうかという予算書、これも「平成21年度安曇野市一般会計予算」という一つの議題なのですが、これまでなら、歳入でいったら「法人市民税」、「固定資産税」、「まちづくり交付金」についてとか、歳出なら「電算管理費」「児童館運営費」「畜産振興費」とか数ある項目ごとに3回まで質疑ができたのです。

 ところが、2月19日の本会議質疑で議長は、「質疑は、同一議題について3回を原則とする」という会議規則を強調し、これまでの経過を軽んずるかのような議事進行をしたのです。
 25日の全員協議会では、事務局から「会議規則により、一般会計予算も一議題として質疑は3回までとする」との説明があり、十分な検討も理解もないまま昨日の本会議質疑となってしまいました。(これについては、議長に質疑の取り扱いについて申し入れをしました。)

 実際どんなふうになったかというと、予算書の一項目につき一問一答でなく、2つでも3つでも一括質疑の形に変更になりました。4項目を一括で質疑するハメになった議員もいました。
 私の質疑を例にあげると、こんな感じになります。

①一般会計歳出関連で「白鳥の会等への補助金」と「臨時職員の賃金」の2項目を一括質疑。つまり、2項目についていっぺんに質問しました。

②それに対し、
 産業観光部長が「白鳥の会等への補助金」について答弁。
 総務部長が「臨時賃金」について答弁。

③次に、私からまた補助金と臨時賃金について再質問。

④すると、また
 産業観光部長が「補助金」について答弁。
 総務部長が「臨時賃金」について答弁。

⑤さらに再々質問で同様の繰り返し。

 私の能力では、二つの質問を同時に展開し判断しまとめていくのは、とても難しかったです。補助金の再々質問では、「白鳥の餌代には補助金を出さない」と答弁させたかったのですがそこまでもっていけず。臨時賃金についても、「物件費としてまるでモノ扱い」のひどさをもっと言いたかったのですが、それも不十分で終わってしまいました。二種類の質疑と答弁が錯綜して、ほんとにやりにくかったです。 これまでのように、一問一答方式で一項目ごとに質疑、再質疑、再々質疑と詰めていく方が、質疑するにも聞くにも分かりやすいのに、どうしてそんなに「同一議題について3回」という規則にこだわるのか・・・。こんなやり方の一括質疑は、答えるほう(行政側)にだけ都合がいいような気がします

質疑した「白鳥の会等への補助金」について、市民タイムスには「白鳥の餌付け廃止目指す」と報道。(右上の記事、クリックすると拡大表示)市は、鳥インフルエンザ対策が最大の理由のように言っていますが、それだけではありません。そのことについては、また改めて書きます。