安曇野菜園の第7期第1四半期実績について

安曇野ルビーを断念、カゴメの新品種へ

 久しぶりの活動報告です。種まきブログの方で断片的に記しておいたことを、わかりやすく肉付けしてこっちにも書こうと思っていたのですが、あっという間に1カ月が過ぎてしまいました。議会広報の編集と住民訴訟のための自治法の勉強、無党派・市民派ネットワークの勉強会に向けて多くの課題をこなすこと等、怒涛の日々。生活保護の相談もあれば、精神障がい者の就労体験の問い合わせがあったり、隣まちから住民監査請求のやり方を伝授してほしいなんて話もあり、日曜日も休んだ気がしなかったです。

 さて、今日は今年初めての議会全員協議会でした。注目の議題は、本庁舎建設候補地が豊科の5カ所に絞られたこと。このことは、また改めて書くとして、もう一つは安曇野菜園の第7期第1四半期実績について。
 第6期の上半期の実績報告の時に、菜園専務が「経営のことは会社に任せておけ」と言い放ったのは、ただの強がりだったのか。今日はやけにしおらしく、「努力する」の一点張りでした。「努力」だけで何とかなるなら、とっくに解決しています。

 破綻処理には15億円かかる。ここで止めてしまうわけにはいかない。市はそう説明するのですが、このまま事業を継続するにも、毎年数千万円から1億円は安曇野市が財政負担することになります。どちらを選ぶにしろ「市民1人当たり1万〜1万5千円の負担増になります。「退くも地獄、進むも地獄」となってしまったのは、当初の計画が杜撰だったからです。旧三郷村が安曇野市が、それを認めない限りは、退くも進むもありえません。なしくずしに私たち市民の税金が使われるのは、許しがたいことです。以下は、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんより、本日の全員協議会傍聴の報告です。

◆ルビーを断念、新品種へ〜安曇野菜園7期第1四半期報告〜

 安曇野市議会は10年2月16日、全員協議会が開かれ、トマト栽培第3セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)について第7期第1四半期の経営報告があった。
 質問に立った小林純子議員は「資料を早め提出してもらったが、第1四半期は09年9〜11月。まもなく半期という時期だ。これで四半期ごと判断とはいかがか」と苦言。その上で売上実績の計画値が、中期計画とその変更分との二通りになっていることについて、「作替えの時期を変えたようだが、合計値は変わっておらず、3品種合計3.9億円の売り上げも同じ。作変えすれば数値は変わるのが普通。見通しのある売り上げ数量なのか」と質した。

 三澤専務は(他議員への答弁も含めて)「計画目標は達成する。3.9億円はなんとしても達成する覚悟。農業だから、できるとかそれ以上とかは言えない」と説明。また08年から導入した高糖度品種のルビーについては「売り上げが伸びないので、カゴメが試作している新品種に切り替える。作替えなどで収穫数量は変わらない」などと説明した。

 村上社長(副市長)は「キャッシュフロー(資金繰り)は厳しい。ルビーの棟で1億円以上の売り上げがないと、期末には資金ショートもあり得る。金融機関に債務保証(損失補償)して借り入れも…」などと説明。コンピューターソフトの修理にかかる425万円も「資金が回らない」といい、カゴメ関係から迎える経営人材への期待を表明した。
 
 会社清算の可能性については「15億円プラスアルファかかるうえ土地問題もある。始めた以上軌道に乗せて、一般の農業法人に引き継ぎたいが、進むも地獄、退くも地獄の状況だ」と、12月議会での市側答弁を繰り返した。

 小林純子議員は冒頭の質問で「もともと5億円の売り上げがなければ経営がなりたたない。やるべきでない事業を始めてしまったのだ」と根幹の判断ミスを指摘した。

 会社側の説明はアバウトで説得力に欠け、第1四半期3ヶ月だけの報告であることも手伝って、質疑は詰めきれぬまま終わった。(報告・横地泰英)

安曇野菜園株式会社第7期第1四半期の報告について
 (安曇野市議会全員協議会資料)

第7期売上実績表(計画値変更前及び変更後)
合計残高試算表(前年対比貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書)
安曇野菜園(株)経営破綻と三郷トマト栽培施設の譲渡等に係る財政負担額試算(21年9月説明資料を参考資料として添付)