2010年(平成22年)度安曇野市一般会計予算に反対討論

賛成しかねる算幾つかの事業予算について指摘し、あえて反対

 3月議会は予算議会、3月1日から25日までの長丁場、新年度予算の審議をメインに進められました。最終日の本会議では、委員長審査報告があり、質疑・討論・採決が行われ、審議結果はこちらにご覧いただく通りす。
 新年度一般会計予算については、これまでになく反対議員が多く7〜8人はいたでしょうか。反対理由はさまざまあると思われますが、新市庁舎建設に向けての予算に疑問符が付いたことは確かです。私も反対したその一人ですが、しかし、賛成多数で平成22年度安曇野市一般会計予算は可決となりました。

 予算に反対する議員が目立ったからでしょうか、それも新市庁舎建設に反対の意思表示と受け取られたためでしょうか、議会閉会後にわざわざ「予算が通ったということは新市庁舎建設が認められたということ。民主主義で決まったことですから、これからは反対せずに協力していただかなくては・・・」と話しかけてきた職員がいて驚きました。「民主主義」の理解が間違っていませんか。少数であっても反対の意見に耳を傾けることで、よりよいものにしていくのが「民主主義」です。「反対意見はない」ことにするのが「民主主義」ではありません。
 ということで、以下は私の2010年(平成22年)度安曇野市一般会計予算に反対討論です。

◆平成22年度安曇野市一般会計予算に対して、反対の立場から討論
 このところの景気低迷は市税収入の落ち込みをもたらしたばかりでなく、扶助費の一層の増加を招き、大変に厳しい財政状況にあります。そのような悪条件のなか、保育料の引き下げや、福祉医療費の義務教育課程までの無料化等、子育て支援策の拡充に向けた宮澤市長の姿勢は高く評価するものです。

 しかし、今後の市政の大きな課題に関わる予算について、いくつか賛成しかねる点があるので、あえて反対の立場をとります。
 一つは新市庁舎建設に関わる予算、二つには安曇野菜園の施設使用料と「安曇野ブランドトマト開発支援事業」予算、三つには三郷堆肥センターの「耕畜連携促進緊急対策事業」予算、そして市の政策の基本に関わることとして臨時賃金と非正規雇用の問題です。

 まず、新市庁舎建設に関わる予算ですが、なぜ反対かといえば、これは「今は建設すべき時ではない」という一言に尽きます。合併したころに比べ経済状況は急激に悪化しています。もう充分に市の財政はきつくなっています。今後、市の財政が豊かになるという見通しもありません。有利な合併特例債でと言われると、どうしても判断が甘くなりますが、急いで建てて後悔することはあっても、建てなくて困ることはないでしょう。

 次に、安曇野菜園の施設使用料についてです。これまで支払いを猶予してきたが、契約に基づいて予算計上したもので、安曇野菜園の経営改善の見通しが立たないなかでは23年3月末までに支払えるかどうかわからないといいます。経営破綻を避けるための新たな計画をまとめたいという話ですが、財政支援で市民の負担がかえって増える恐れがあるにもかかわらず、ここまでひどい状況に至った責任については曖昧なままであり、説明責任を果たしていません。

 「安曇野ブランドトマト開発支援事業」についても同様で、国のふるさと雇用再生特別交付金を活用するので市の負担なく安曇野菜園の支援が出来るというのですが、国の交付金がなければはたして市独自の予算付けができたでしょうか。
 これは、三郷堆肥センターの「耕畜連携促進 緊急対策事業」予算にも共通した問題です。国の交付金が使えるからという安易な支援は、問題の先送りに手を貸すだけです。今後、堆肥センターの施設設備の改修費用は増大する一方でることを考えれば、事業の継続や公社の存廃にまで踏み込んだ判断が必要ですが、市の対応はきわめてあいまいなままです。結論とツケを将来に先送りして新年度予算案を通す形であり、認めることはできません。

 最後に、臨時賃金、非正規雇用の問題です。行財政改革といえば聞こえはいいですが、人件費の削減、低コスト化が招く矛盾に満ちた現状に目を向けなければなりません。非正規雇用が社会問題となっているなか、自治体は率先してその解消に取り組むべきであり、安曇野市においてももっと改善に向けて努力が必要です。

 以上、私の反対討論といたします。