これまでになく活発な議案質疑、さらに充実を

一般質問よりも面白い、議案質疑や採決を傍聴しよう

 私が傍聴をおススメしたいのは、一般質問よりも議案質疑や議会最終日の採決までの様子、それと実質的な議論の場である委員会です。この3月定例会の議案質疑は3月4日でしたが、質疑の冒頭で議長から「議案質疑は、あくまで議題となっているものについての疑義をただすものであり、議題外にわたる発言や自己の意見、要望を述べることはできません。・・・」というお定まりの注意があって、私は思わず苦笑。

 こんなふうに、議長からクギを刺されても延々と自論を展開するだけで、何を聞きたいのかわからずに終わってしまう質疑が多いのです。それでも、まだ質疑する議員はそれなりの問題意識を持っていると理解しますが、まったく質疑をしない議員が少なからず存在することには、何をかいわんやです。
 この日、質疑に立ったのは13名で、これまでの最多ではないかと思うのですが、それでもまだ半数以上の議員は質疑無しということです。これでは議会のチェック機能が十分果たされているとは言えないでしょう。

 私は、次の3点について質疑をしました。
(1)デマンド交通『あづみん』と福祉バス運行を並立させることについて
(2)三郷公民館事業から「三郷文化」の予算が削減されたことと堀金公民館事業から「館報」の予算が削減されたことについて
(3)「庶民の家具展」実行委員会について
※質疑の音声録音を文字起こしした記録は、こちらからご覧いただけます。(これはまだ正式記録ではありません)

 ここには「庶民の家具展」実行委員会についての質疑を掲載しますが、ぜひ答弁の方にも注目してご覧ください。音声録音を文字起こしたまま、つまりしゃべったままなのですが、文章として読むと言語明瞭にして意味不明。今後、注視すべき問題だと思います。

【小林純子】10款教育費、5項1目社会教育総務費、こちらに、庶民の家具展実行委員会の予算が計上されております。この庶民の家具展に展示されるものは、村田コレクションにかかわるものと思いますが、とすれば、豊科文化財団主催ではなくて、実行委員会方式で開催することなった、その経緯についてまずお聞きします。

【教育次長】どういう経過で実行委員会ができたということだと思います。私どものほうで、文化財団の基本財産でございます。議員御承知のとおり、これにつきましては、東京高裁の判例で、展示していく場合協力しろと、そういうような内容が盛り込まれております。そういう中で、私ども、市といたしまて、市といいますか、教育委員会といたしましても、文化財団と調整をとりながら進めてきたところでございます。
 若干、この近代美術館といいますか、当市の文化財団の基本財産については、先ほど申し上げましたとおり、公開していかなくてはいけないというようなことで、そういう機運が高まってきまして、実行委員会を設立したということでございまして、1月14日に実際に実行委員会を設立してるということでございます。
 実行委員会の委員につきましては、理事長以下、豊科文化財団の方々、それから生活文化研究所、それから東京造形大学、それからものづくり大学、それから財産法人家具の博物館、それから長野県工芸技術センターと、総合センターと、それからあと教育委員会等々で実行委員会を組織して、開催していきたいというものでございます。そんなことで御理解いただければと思います。

【小林純子】ただいま、実行委員会方式で開催するということの経過はお伺いしましたけれども、そうであれば、当然このコレクションについて、一番その価値やら、それからどういったものであるか、御存じなのは村田さんです。ところが、今回、展覧会について、監修をお願いするという方はどなたでしょうかとお聞きしたところ、村田さんは入っておりません。こういう形で、せっかくの展覧会を開催するということが、果たして今後この村田コレクションを市民のために役立てていく、その一番のとっかかりのところで、大丈夫かという心配がありますが、村田新蔵さんと洋子さんは、ともにこのコレクションについては、ずっとかかわってこられたので、一番わかっている方は、現在では村田洋子さんです。

【教育次長】まず、1点目の村田洋子さんが入っていなくておかしいといいますか、一番知っている方が入っていないのはいかがなものかということだと思います。この展示の監修につきましては、生活文化研究所の鍵和田先生に行っていただく予定でございます。実際、もう進めているというと変なんですが、下打ち合わせはしているわけでございますが、特に、先生は中世を中心とした家具評価の第一人者ということを聞いております。私ども知る限りでは、この生活文化研究所の鍵和田さんについては、村田さんとは旧知の仲であるということで聞いております。そういう中でございますので、多分、その辺は大丈夫ではないかというふうに私どもは認識をしているところでございます。

【小林純子】 これで(質疑が)3回目ですので、最後にお聞きしますけれども、ただいま村田さんが加わらなくても、鍵和田さんは第一人者でもう十分であるというお話でしたけれども、そこには、そもそもこのコレクションの所有者であった村田さんが、現在どうしてこういう形になっているかという問題がありまして、それについては、これまでも市のほうは解決済みであるという立場で、その先のことを考えましょうと言うご答弁がありました。解決済みであるならば、なおさら村田さんが一緒にこの監修をするということが、今後の村田コレクションの有効活用、市民のために役立てるのに一番大事なことになります。
 解決済みということで言えば、私も調査をしました。解決済みではない部分があることがわかりました。ですから、その点をお伝えして、さらに再検討していただきたいのですが、解決済みというのは、平成5年12月の和解のことと思います。この和解には、和解条項がついておりまして、この中で、3項目めと4項目めの物件目録の作成の経緯については、まだ、これは履行されておりません。ですから、解決済みとはまだ言えない状況にありますから、その物件目録の作成にかかわって、やはり、この際、村田さんも一緒にきちんとした物件目録をつくり、今後のこの計画されている庶民の家具展につなげなければいけないと思いますので、もう一回その点についてお聞きします。

【教育次長】今、平成5年12月の和解条項についてお話がありました。私ども教育委員会としては、この問題については解決したと、そういうことで認識しおります。昨年の2月にも、市が中に入りまして、財団、それから村田さんともお話を持ちましたが、調整ができなかったと、そのように聞いておりますし、今後の課題として、それはあるんではないかというふうに思っております。