本庁舎建設事業費を削除する予算修正の動議(その2)

平成23年度安曇野市一般会計予算をめぐって

本庁舎建設事業費を削除する予算修正の動議(その1)の続き

【猪狩議員・賛成】国難とも言われるなかで、世界各国からの支援を受け、国を挙げての復興が進められているが、再建は長期にわたることが予想される。被災地では町がそっくり津波に飲み込まれ、庁舎すらなくなってしまったところもある。今、私たちに何ができるかを考えれば、今までどおり既存の建物を知恵と工夫で使っていくことではないか。今は全力を挙げて被災地の方々の支援に力を注ぐときである。本庁舎建設事業費は予備費に入れ、本庁舎建設は考え直すべきだと思うので、この修正案に賛成である。

【平林議員・反対】予算修正に賛成の意見として東日本大震災を理由とする発言があったが、これは未曾有の災害であり、国の内外を問わず支援の手が差し伸べられている。安曇野市も議会も支援を始めている。そんななか一番心配なことは、老朽化が進んでいる豊科総合支所で、多くの職員を守れるのかということ。安曇野市は牛伏寺断層、糸魚川静岡構造線の上にあり、今後の防災をどうするかということは非常に大事なことである。したがって、プールの跡地を防災広場にすること、各総合支所の改善のために1億円積み立てることなど、当初の目的どおりにこの予算を使うことが重要である。また、それぞれの委員会の審査結果が可決であることを尊重して、修正案には反対する。

【小林純子・賛成】80億円もの本庁舎を建てる、それも合併特例債が使えるうちにということで、住民合意もあいまいなままに予算計上されることに反対しているのであって、この震災があったかなかったかということが判断を左右したのではない。市長は本庁舎建設を予定どおり進める、合併特例債は権利であるのでしっかりと行使すると宣言したが、合併特例債の特例というのは、特別扱いをするということ。合併に誘導するアメとしてもらったこの特例債を権利として行使するとは不見識もはなはだしい。そもそもこの合併特例債を使うために、大急ぎで進められている本庁舎建設であるから、その一点をとってみても修正案には賛成である。予算編成上の手法として、削除した予算を予備費に入れるのはおかしいという意見も多々あったが、これは手法の問題ではなく、安曇野市の予算としてどうあるべきかという理念に対する修正である。今、本当に本庁舎建設を急ぐ必要があるのか、危ない合併特例債を使って建設を進める必要があるのかということを問い、修正案に対する賛成討論とする。

【黒岩議員・反対】平成23年度一般会計の予算は、本庁舎建設と大震災とは別に考えるべきである。この修正案は、本庁舎建設に反対するものであり、合併協の内容、行政機構等研究委員会、本庁舎等建設検討委員会、また市議会本庁舎等特別委員会で決められた内容と全く異なるものである。また、今まで議会で決めた本庁舎等建設審議会条例、庁舎建設基金条例に反するものである。加えて、この修正案からは、財政借金をどうするか、既存庁舎の活用はどうするか、市民の暮らし優先とはどうすることかなど見えてこない。修正動議はパフォーマンスにすぎない。市民が平和で安心に暮らすために、危機管理も含めよりよい本庁舎を建設することを要望して反対討論とする。

【荻原議員・賛成】新本庁舎建設については、有志議員の行ったアンケートによっても市民合意が得られていないことがわかる。市長には選挙公約をきちっと具現化してほしい、という市民の声も根強くある。また、国の財政は、この3月末において国債発行残高862兆円もあり、危機的な財政状況にある。加えて大災害の復旧復興のためには、さらなる財政出動が必要となる。こうした現状から、今、私どもがやれることは何かということを考えれば、しなくても済む借金はやめること。それが国のためにもなり、安曇野市民のためにもなる。本庁舎建設は見直すということで、その予算を予備費に回し、じっくりと判断をすればいい思うので修正動議に賛成である。

【浜議員・反対】10万人都市を対等合併でつくった以上、危機管理上、本庁舎の建設はすぐにでも必要であり、5地域に分散したなかでの危機管理など実際にはあり得ないということを市政に問うてきたが、なかなか進んでいない。今回の大震災を教訓とすべきである。今、財政的に苦しいことは私も承知しているが、未曾有の大震災が起こったからということにかこつけて本庁舎建設を論ずることには、私は反対である。私たちが合併した意思として、どうしても建設しなければならない。そういった意味において、今回の修正案では本庁舎建設事業が消えてしまう。なおかつ、21年度も22年度も本庁舎にかかわる議決を議会として行って予算も執行してきている。予備費に回して云々というような予算修正案には反対である。