三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その3)

2011年9月10日 01時36分 | カテゴリー: 活動報告

市民オンブズマン松本大会で安曇野菜園損失補償問題の報告

20110905信濃毎日新聞記事
20110905信濃毎日新聞記事
2011年2月 2日 自治体クライシス
 「自治体クライシス〜赤字第三セクターとの闘い」(伯野卓彦 著)を読みました。飯綱リゾートでは長野県地域開発公社が関わっていましたが、安曇野菜園では長野県農業開発公社が大きな役割を担っていました。のせられた自治体がバカだったのか。煽った国、県、銀行にも責任はあるはず・・・と、まあ、これを聞きつけてのことではなさそうですが、先日、日経グローカルの取材がありました。2月初旬発行号で「自治体の法務対策」という特集を組む予定。安曇野菜園の損失補償をめぐる裁判も取り上げるとのこと。

 いろいろ話をしましたが、そのなかには「金融機関に貸し手責任はあるか」という質問がありました。わたしは「当然あります」と、きっぱり。三セク事業に手を出した首長の不見識と行政の無責任、そこに議会の機能不全が重なった最悪の展開であり、自治体の責任は免れない。しかし、不見識と無責任で固めた三セクの事業計画を鵜呑みにして、いや、鵜呑みどころか「こりゃダメだ」とわかっていて、でも、「自治体ならとりっぱぐれはない」と融資したのが銀行。自治体もひどいが、銀行もその本来の使命を忘れてモラルに反する融資をした。

 この本のオビにはこうあります。
「煽った国も銀行も借金で瀕死の市町村を見捨てていた!」
「自治体クライシス」の出版はちょうど1年前ですが、その時点ではまだ損失補償契約は違法・無効とする高裁判決は出ていなかった。だから、この本に語られている三セク問題では、自治体はただひたすらに損失補償契約を履行するため、もがいています。そこに、東京高裁の「加藤判決」は救いと解決の道筋をつけたのです。

 安曇野市は「加藤判決」を受け入れることで、三セク問題解決のさきがけとなります。それこそ安曇野市の使命というものです。今からでも遅くはない、最高裁への上告を取り下げるのが最善の道と思います。

2011年2月 13日 自治体の法務は大丈夫か
 日経グローカルNo.165(2011.2.7)の特集「自治体の法務は大丈夫か」に安曇野菜園の損失補償の問題が取り上げられています。『全国市民オンブズマン連絡会議では、「全国の三セクの損失補償のほとんどは、安曇野のような『偽装損失補償』ではないか」と見ている。仮に、安曇野の高裁判決が確定してしまうようなことになれば、銀行が保全していると思っていた2兆7000億円もの債権の多くが、実は違法で無効だ、ということになってしまい、彼らの経営を揺るがすことにもなりかねない』。

 『偽装損失補償』とはよく言ったものです。安曇野市(旧三郷村)が認めた(注1)損失補償契約の限度額は2億5000万円ですが、実際に旧三郷村が金融機関と結んだ損失補償契約を見てみると、A金融機関 2億5000万円 B金融機関 5250万円 C金融機関 4875万円 合計で3億5125万円になります。限度額の2億5000万円をはるかに超えていた(注2)ことがわかります。C金融機関にいたっては、当初は損失補償の契約書さえなかった。

 なんとイイカゲンな契約だったことか。『偽装』する前にすでにシッポが出ていたようなものです。とはいえ、契約ですから相手のある話で、『偽装損失補償』契約には金融機関の貸手責任が当然のこと、あると思います。

(注1)三郷村議会が議決している。
(注2)あくまでも限度額設定であり、3億5125万円の借入をしたわけではない。

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