公文書の「適切な保存」質す/市議会一般質問で小林純子議員

~市民ネット横地泰英さんから届いた傍聴記です~

棚に整理されているのは有明村の行政資料。これだけそろっているのはたいへん貴重。ちなみに私は有明村出身です。

 持ち時間40分で2項目の質問は、やはりきつかったです。だれもが60分で質問できたのはいつのことだったか・・・、議会基本条例の制定間近の今、現状の一般質問の時間制限は見直しが必要です。 

◆安曇野市を考える市民ネットワークの横地泰英さんから届いた傍聴記です、ご覧ください。

 曇野市6月定例議会は12日、第1日目の一般質問を行った。6番目に質問した小林純子議員は、①公文書の適切な保存と利活用、②北小倉の廃棄物処理施設の防音壁検査の2点について質問。市側の対応を質した。いずれも重い問題をするどくとらえ、市側が追い込まれる場面もあった。

 ①について小林議員は、「新本庁舎建設と連動して安曇野市は公文書整理事業が進めており、整理には廃棄を伴うことから、歴史的文書を含む公文書の大量廃棄、散逸が危惧される。保存期間を過ぎて非現用となる歴史的資料を継続的に収集、整理、保存するだけでなく、市民共有の財産、知的資源として活用し、未来に伝達する視点が重要である」と指摘。公文書の選別と、廃棄歴史的資料として保存する基準をきいた。

 これに対し宮沢市長は「公文書は行政運営の根幹であり、民主主義を支える共有財産といえる」と保存整理の重要性、意義を強調、小林議員の指摘を認め、新本庁舎プロジェクト本部に公文書保存のプロジェクトを設置すると説明。宮田総務部長は「選別と廃棄はネットワーク上の管理システムで分類、選別、保管を決めている。保存期間は1年~30年の基準規定がある。歴史的資料の保存には、各課で迷わぬようガイドラインを設け、24の選別基準がある。具体的に言えば、残存が少ない時代、明治~昭和24年のもの、写真、地図、ビデオなどと説明した。

 小林議員は「昨年、3万3千点の廃棄量に驚いた。こんなに捨ててしまってよいのか、とも。しかし担当職員は熱心に取り組んでいる」と現場の苦労をたたえた。その上で「市にとってのマイナス情報が捨てられる〝負の遺産〟の心配を指摘した。整理保存作業に市民が立ち会うことについて「個人情報の問題がむずかしい」と述べた。これに対し小林議員は「選別に直接関わるのでなく、第3者機関に入ってもらい文書の廃棄に関する判断をすることが考えられる」と述べた。

②「市が11日に現地検査」と判明/北小倉の廃棄物処理施設
(2)北小倉の廃棄物処理施設の防音壁に係って
      市が行う構造計算と検査について

 北小倉の廃棄物処理施設問題については、質問前日の11日に状況が動いた。このため小林純子議員は予定した一般質問通告を変更。「市長は5月31日の行政報告で、M社の同意を得たうえで危険が指摘されているコンクリート壁を検査すると言っていたが、昨日同意を得たうえで検査したという。経緯を説明してほしい」と迫った。  

 宮沢市長は「6月3日に承諾を得た。6月中に現地調査を行い。7月に調査結果をまとめる」と日程を報告した。小倉市民環境部長は「市職員の立ち入りはOKでも、民間業者はむずかしく、同意を文書で得るのに時間がかかった。きのう11日実施した。コンクリート壁の寸法、探査機を使っての鉄筋調査、レントゲン、シュミットハンマーによる調査などだ。7月中をめどに構造計算の段取りだ」と説明。
 これに対し小林議員は「市の調査でM社が提出した審査資料に虚偽があると判明した場合、どんな対応をとるのか」と質した。小倉部長は「故意か過失か、証拠固めが必要。専門知識を持つ弁護士に判断してもらう必要もあろう。どう対応するかは県も同じ。壁の強度が足りないなら補強ということになる」と短い説明。
 小林議員は「補強は当たり前。問題は虚偽であるかどうか。3月調査には市も立ち会い、それなりの感触を得ていたはず。虚偽かうっかりミスか、いつも不明瞭なまま、はぐらかしつつ2年もかけて構造計算…〝補強〟で済ます話ではない」とするどく迫った。小倉部長は「程度問題でもあり、基本的には補強だ」と自説を繰り返した。小林議員は「補強はいますぐにも必要なこと。住民は2年以上危険にさらされてきた。県・市は業者よりも市民の立場に立って」と迫った。小倉部長は住民側資料の不備などを指摘し、議論はかみあわぬまま終わった。

◆市長選出馬は6月定例会後に判断/宮沢市長一般質問で答弁 宮沢市長は今秋10月の市長選への出馬意思を12日の市議会一般質問で問われ「まず職責を果たし、諸課題に全力で取り組む。次期市長選については、一人で決めるわけには行かない。後援会、支持者、市民の意見を聴くなかで慎重に判断する」と答えた。「早期表明が責務」という指摘にも「まず職務まっとう。6月定例議会終了の時点でそれぞれの方に聴く」と繰り返した。

(以上まとめ=安曇野市を考える市民ネットワーク・横地泰英)