安曇野市議会12月定例会・議案質疑

2015年12月16日 13時06分 | カテゴリー: 議会報告

マイナンバーどうする?

~マイナンバー法関連条例、個人情報の目的外利用だと認めて対応を~

 12月8日の午後は議案質疑。今回は質疑する議員はたったの二人、私と共産党の井出議員。質疑はマイナンバー法関連条例に集中しました。
 私は「安曇野市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例」という、なんとも長ったらしい名称の条例について質疑しました。

 ところで、皆さんのお手元にマイナンバー通知カードは届いたでしょうか。全国のあちこちで通知カードが届かないというトラブルが多発しています。自動交付機の設定ミスや役所職員の操作ミス、確認ミスなど人為的なものは当然にあるでしょうし、悪意の漏えいだって無いとはいえません。マイナンバーにからむ詐欺被害は早くも問題になっていますし、この制度が先行するアメリカでは「なりすまし」被害の実態は深刻です。

  国はマイナンバー制度のメリットばかりを強調していますが、「国による個人情報の一元管理」が進み、国民への管理・監視が強まるのではないかという懸念は最大のデメリットだと思います。
 そこで、まず、マイナンバー通知カードを受け取ったら、それ以上なにもしないことが最善の対処であると知ってください。「個人番号カード」の取得は申請によるもので強制ではありませんし、カードを取得しないことで不利益はありません。

◆マイナンバー 記載なくても不利益ない。
 最善の対策は何もしないこと。
 http://zenshoren.or.jp/zeikin/chouzei/151109-01/151109.html

【質疑の概要】
 国は「マイナンバー法9条2項の庁内連携によって、各種申請の際に添付書類が不要になるなど、行政の効率化と住民の利便が図られる」ことを強調しています。たとえば、所得情報を福祉関係の給付金支給の事務に利用する場合のように、同一の執行機関内での異なる事務の間で特定個人情報を利用することができるとされています。これを「庁内連携」といいます。

 今回提案の条例案にある庁内連携の内容が、まさに「行政の効率化と住民の利便を図る」ものとして位置づけられているわけですが、しかし、この庁内連携は個人情報の目的外利用になるのではないか。市民の個人情報の保護とマイナンバー制度をどう両立させていくのか非常に気になるところです。

 個人情報保護・利用の原則は以下の3点。
①個人情報は利用目的を明示して本人から取得しなければならない。
②個人情報は取得した際に示した利用目的以外に利用してはならない。
③目的外利用・提供については、あくまで目的外として利用・提供できる旨を明記した法令上の規定を設けなければならない。

 ところが、国のマイナンバー法においては、庁内連携は個人番号の利用であり、個人情報の利用ではないので、目的内の利用として取り扱うことができるとされているのです。
 個人番号の利用だから目的内利用だというのは、どこかごまかされているようで納得のいくものではありません。むしろ、庁内連携は目的外利用であることを、市が条例に規定したほうがマイナンバー法の不備から市民を守ることが出来ると考えます。

【答弁の概要】
 個人情報保護条例における「目的外利用」と、マイナンバー法の「目的外利用」の意味や内容が違うことを、市はよく理解できていないように思われました。「個人情報保護条例もマイナンバー法に整合するように改正した。国がそれでよいといっているのだから問題ない」との見解。

【小林じゅん子の意見】
 国は「庁内連携は個人番号の利用であり、目的内の利用として取り扱うことができる」としていますが、はたして個人番号の利用だから目的内利用だといえるかは疑問です。むしろ、庁内連携は目的外利用である旨、市が条例に規定したほうがマイナンバー法の不備から市民を守ることが出来ると考え、目的内利用としている本条例には反対です。

 日本のマイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野に限っての利用となっていますが、注意すべき点は今後その利用目的が拡大されていくことです。「国による個人情報の一元管理」が進み、個人の自由やプライバシーの侵害につながるおそれがあります。
 番号とカードの制度は各国で様々で、日本のマイナンバー制度は世界ではむしろ例外です。
 韓国では、民間分野でも利用が進み、インターネットでも個人番号を入力しないと画面が展開しない程番号利用が進み、その結果、大量の個人情報流出と成りすまし事件が起こるようになりました。
 スウェーデンは、番号先進国ですが、個人情報保護の意識と仕組みが日本とは大きく異なり、もともと住民登録も所得情報も公開されています。
 アメリカは住民登録制度がなく、任意取得の社会保障番号ですが、民間で広く使っている結果、成りすまし犯罪被害1,170万件(16歳以上の全人口の約5%)に上っています。
 イギリスでは2006年に、労働党政権がID・身分登録証明カード法を制定しましたが、2010年5月の総選挙で労働党が敗退し、保守党と自由民主党の連立政権がカードを廃止しました。