GIS(統合型地理情報システム)活用で庁内連携を

~安曇野市議会9月定例会
     小林じゅん子の一般質問(その1)~

GISによる安曇野市電子地図サービス「あづみのマップ」より~犀川ハザードマップ

GIS(ジオグラフィック・インフォメーション・システム)とは、さまざまな地理情報、地図上に重ね合わせたり分析したりするシステム。身近なところでは、車に搭載されているカーナビゲーションシステムがある。

画一的な業務やサービスの提供から、地域性や一人ひとりの市民を考慮したきめ細かい政策にシフトしていくためには、一つの課で仕事を完結させようとするのではなく、複数の課と垣根を越えて情報や業務を連携させることが必要。


【小林質問】
 こうした庁内連携により効率的、効果的に仕事を進めるために、GIS(統合型地理情報システム)を従来の地図の作成と地図による情報提供のためのGISということにとどめるだけでなく、政策支援GISと位置づけ、分析や検討を行うための、考えるための道具、情報共有のための道具として、市の政策の企画、立案に活用することが安曇野市のまちづくりに必要と考えるが、どうか。

【市 長】 部局を横断した業務の連携、情報の共有化を図ることを指示しているが、より一層の対応と連携を図っていきたい。

そこで、質問したのが「複数の課と垣根を越えて情報や業務を連携させ、効率的、かつ効果的に仕事を進めること、これはGISの活用に限ったことではなく、市役所の仕事をする上で一番基本的な姿勢だと思うのですが、この基本ができていないと思われる問題の事例が2件について」です。

それぞれの課が管理しているGISの情報を見せてもらいながら、問題の2件の事例の説明を聴かせてもらったのですが、「リアルタイムではないにしろ、地図、航空写真、土地利用の状況、農地法に係わる土地情報、工場立地法に係わる情報等々が見えるし、公開されていない部分では課税情報もあるはず。なぜ問題解決にもたもたしているのか?」疑問に感じたので、複数の課が関わるなかで情報共有や業務の連携に問題がなかったか、具体的に聞きたかったのです。

一つは、松川村境にあるミネラルウォーター製造会社が、工場立地法により広大な敷地の25%を緑地として工場を建設したにもかかわらず、操業を始めたらいつの間にか緑地が太陽光発電施設になってしまったというもの。もう一つは、有明地区にある養鶏場で、悪臭やハエの発生など衛生管理の問題で、周辺住民と市の環境課が長年にわたり業者に働きかけてきましたが、2年前のある日、突然に鶏舎の建て替えが始まり、いまや30棟ほどある鶏舎は、さながら太陽光発電所の様相を呈しているというものです。

商工観光部長、市民生活部長、農林部長、都市建設部長、それぞれから、「他部署との情報共有が不足していた」「他部署との連携が欠けていた」「現在は部局を超えた情報共有に努めている」「他部署との情報共有、連携に努めている」との答弁がありました。

 

【小林質問】 掛け声だけでは職員の意識はなかなか変わらない。このGISを道具として仕事の仕組みを変える、そのことで職員の意識が変わり複数の課と垣根を越えて連携の取れた仕事につながるのではないか。

【政策部長】 職員の横断的な連携と情報化の推進ということでは、平成31年から市の重要施策や法改正に沿った業務を中心に、安曇野市情報化基本方針を策定する予定で、GISの活用についてもその方向性を示していきたい。