低迷する投票率と政治教育の必要性

学校教育でも政治教育を積極的に取り入れるべき

 9日は衆議院議員の総選挙。選挙結果は既に皆さんご存知の通り、見解は様々ですが、私が一番気になるのは低い投票率です。総務省がまとめた最終確定投票率は59%で、史上二番目の低投票率。長野県ではまだそこまで悪くなっていませんが、全県で65.99%、2区で66.0%、いずれも前回参議院議員選挙より下がっています。穂高町では66.73%でわずかながら前回66.14%よりアップしているのはチョッピリ嬉しい。
 しかし全国的には低下の一途をたどっています。どうして?「誰がやっても同じ」「投票したって政治はちっとも変わらない」気持ちは分かりますが、これってかなり他力本願、他人任せですよね。この”平和で豊かな日本”の中にいて「政治がどうなろうと自分が今まで通り暮らしていければよい」という意識があるからではないでしょうか。開票後のTV番組で、99.9%の投票率を誇る?北朝鮮の”恐怖の選挙”の実態や、1990年の選挙で民主化を掲げる(スーチーさん率いる)国民民主連盟の圧勝にもかかわらず、軍事政権が選挙結果を覆して政権の座に居座っているミャンマーの現状など紹介していましたが、自由に投票でき選挙結果が尊重される公平な選挙(もちろんまだ完璧ではないけれど)が行われ、「選挙ぼけ」状態の日本では、1票の重みもその威力も忘れられてしまっているようです。在日韓国人の若い人が「投票に行かないなら、私にその1票をください」という声が私の胸に強く響きました。
 私は、この「選挙ぼけ」(ぴったりの言葉がないので、とりあえず”ぼけ”としておきます)の大きな原因は「政治教育の貧困」だと思っています。教育基本法には政治教育の重要性が述べられていますが、教育現場では「政治的中立」の名のもとに、学校において保障すべき政治教育を抑制する傾向があり「政治教育の貧困」を招いているように思います。民主主義とは何かを示した上で、社会の問題のほとんどが政治の問題に行き着くこと、政治には大きな力がある、その力はあなたの1票に由来するものでありその1票が政治を変える、政治が変われば社会はこんなに変わる、という政治に対するポジティブなイメージを持てるような教育が必要だと思います。