女性の人権、困りごと、悩みごと相談の必要性

フェミニストカウンセリング松本にて

 カウンセリングという言葉はかなり一般化していて、どんな意味か大体見当がつくと思います。それではフェミニストカウンセリングはどうでしょう。「女性のための女性による」カウンセリングといったらよいでしょうか。女性が自立し、自分を尊重しながら、自分らしく生きいきと生きるための、フェミニズム・feminism(性差別をなくし、性差別的な搾取や抑圧をなくす運動のこと)の視点に立ったカウンセリングということになります。
 さて、私の友人が「フェミニストカウンセリング松本」を開設して活動しているので、一度訪ねてみたいと思い続けて、やっと先日実現しました。昨年暮れ彼女に会ったとき「豊科や穂高、安曇野地域には女性相談の公的窓口がないので、松本市や塩尻市、あるいは県の相談窓口へ流れているようだ。相談件数が年々増えている。身近なところでもプライバシーが確保される形で女性の人権、困りごと、悩みごと相談ができないだろうか」という話になった。ならばもっと詳しく聞かせて、ということで相談室を訪ねることにしたのです。
 まずは、このところ相談が増加傾向にあるドメスティック・バイオレンス(DV)について。DVとは夫や恋人などの親密な関係の人がパートナーに対してふるう暴力のことですが、そのほとんどが男性から女性への暴力。これまでは、夫婦喧嘩じゃないかと取り合ってもらえなかったり、はなはだしくは男性の暴力は愛情表現の一つだという人さえあり、女性が文句をいう話ではない、世の中はそうなっているんだからと、”問題”とも思われずにきたわけです。男性中心の社会観が、女性への暴力を”問題”として取り上げることを拒否してきたといった方がいいかもしれません。男性からの暴力は、決して女性のせいではないのです。たとえ親密な関係にあっても、家庭内でも、どんな理由であっても、暴力は決して許されないことなのですから。
 DV被害者への援助、その実際の対応についても細かく説明してもらいましたが、それだけの対応をしていくには、先ずは公的なところで女性相談の窓口を作る必要性を強く感じました。加えてカウンセリングに携わる人材の育成も急がれます。町役場や社協の職員が片手間にできるような仕事ではないし、また相談の秘密が守られる安心感が得られるようにするためには、外部(あるいは他地域)の専門家が関われるようにすることも必要。ということで、3月議会の一般質問で取り上げようと考えているところです。