穂高町議会6月定例会・一般質問(その二)

地域の自然や環境を生かした公園作りと子どもの育成について

 この質問も『常念ふれあい公園』と無関係ではありません。用地取得に1億1300万円、工事費に1億2000万円余り、合計2億3000万円以上もかかったと聞くと、だれもがそれだけかける価値のある公園かと首をかしげます。そそり立つような築山を目にしたある若いお母さんは、「あんなりっぱな築山や滑り台でなくていいんです。広い草っ原があって、ちょろちょろと水が流れていて、ちょっとした木陰があればいい。どんぐりのなる木なんかあれば、カブトムシも来るかもしれない。立派な公園を一つだけ作るより、そんな遊び場所をあちこちに確保してほしい」そんなふうに話していました。
 こんなに自然環境が豊かな地域で、子どもが遊べる場所はいくらでもありそうですが、どこも誰かの私有地で制約が多く、自由には遊べないというのが現状です。昔は地域がもっと子どもに寛容で、どこでも気兼ねなく遊ばせてもらえる環境があったように思いますが、このごろでは、放課後や休日に地域で遊ぶ子どもの声がほとんど聞かれなくなってしまいました。
 子どもがいつでも安心して遊べる場所が無くなるにつれ、テレビやゲーム、パソコンなどに熱中する子どもが増えてきました。そのため、違うクラスや異年齢の子どもと遊ぶ機会が少なくなり、そこに行けば誰かが居て何かして遊んでいる、仲間になれるという場所もなくなってしまいました。親や本人があらかじめ約束しては誰かの家であそび、送り迎えをするというのが当たり前のようになっているのです。
 このような状態は子どもたちにとってよいことではない、子どもは人や自然との関わりの中での「遊び」を通して生きる力を身につけていく、穂高町の自然環境そのものが「遊び場」であり「子どもの居場所」であるとの認識に立って、自然環境を生かしたプレーパーク作りを模索する住民の動きがあります。有明地域の若いお母さんたちが中心となって活動を広げているところです。
 プレーパークとは、「〜してはいけません」という禁止事項を極力なくした、自分の責任で自由に遊ぶ場所や、その活動のことを言います。天蚕試験地のクヌギ林や鐘の鳴る丘集会所周辺の森など、すぐにでもプレーパークとして活用できる場所がありますが、町としての支援はできないでしょうか。

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