安曇野地域合併協議会ウォッチング〜その5〜

ここまで来るとハッキリ言えない特例債の金額

 9日は第5回安曇野地域合併協議会。今回は会場を穂高町民会館に移し開催されました。穂高町の方がかなり傍聴に来てくださったようで、事務局が準備した25部の資料が終わってしまい、もらえなかった人もあったとか。12月三郷村、1月堀金村と協議会が回っていきますので、もっともっと多くの皆さんに傍聴していただきたいと思います。いつもは椅子だけの傍聴席も、今日は机や貸出用の分厚い資料も用意され、大変ありがたかったです。
 まず、新市建設計画(財政計画)の策定について報告がありました。まずは新市の経常的経費等の積算作業が必要だが、5町村の予算書はそれぞれ組み立てが違うため、豊科町の予算書を選び全市的な経費等を統一して積算する方法で進めているなど説明があり、新市における事業計画とその財政的な裏付けについて、できれば12月には最終的な見通しを出したいと事務局長。すると三郷村委員から「各町村とも特例債を使うつもりでいるが、政策的経費(住民のまちづくり提案や、合併により新たに必要となる事業、新市の一体性の確立を図る事業など)には特例債をまわせるのか」という質問。協議会の終わりの方でも豊科町委員から「特例債はどのくらい使えるのか」という質問があり、いずれにも事務局からは明快な答えはありませんでした。事務局長が「必要な事業は何か、それが先であり、財源については後で考える」と言えば、平林会長も「特例債に過大な期待をしてもらっては困る」とクギをさす。ついこの間までの“景気のいい話”というか、特例債が400何十億とかいう話はトント聞かれなくなり(それが当たり前なのですが)、期待はずれに思う人もあるでしょう。
 次に、前回からの持ち越しになっていた議員の定数と、最初の選挙に限り複数選挙区を設けてもよいことになっているのでその問題について再協議。定数28で旧町村単位での選挙区を求める三郷村、堀金村、明科町と、定数30で1選挙区を主張する豊科町、穂高町。それぞれ意見を述べましたが、前回の議論(バックナンバーのウォッチング〜その4〜参照)と何ら変わらず、しかし豊科・穂高は「他地域の事情や考えもよく分かる、しかし合併して一つの安曇野を目指すに当たっての理想もある、慎重にならざるをえず決めがたい」という意見を付け加え、譲歩する姿勢を見せました。定数と選挙区の問題でもめて、合併協議会のイメージダウンにでもなれば元も子もないという判断があったのでしょう。(私自身は定数30で1選挙区がよいと考えていたので、残念でした)結局、定数28で最初の選挙に限り旧町村単位での選挙区を設置することで確認。選挙区ごとの定数は、豊科8、穂高9、三郷5、堀金3、明科3となりました。

 そのほかには、住民生活に直接かかわる、使用料や手数料の取り扱い、各種団体への補助金の取り扱い、行政区の取り扱い、国民健康保険や介護保険事業の取り扱いなど24項目について協議され、質疑もわずかながらありましたが、いずれも提案通り確認されました。次回協議に向けての新たな提案16項目の説明があり、最後には「新市庁舎はどこになるのか?」という質問まで飛び出し、4時間に及ぶ協議会が終わりました。
 「新市庁舎はどこになるのか?」については、この次に提案する予定とのことです。次回協議会は11月30日(火)午前9時半から、これまた穂高町民会館ですので、ぜひ傍聴においでください。