長野までの車中で「21世紀の河川思想」を読む

長野県インターネットプロバイダ防犯連絡協議会に出席

 長野までの車中とは、もちろん電車のことです。自慢にもなりませんが、私は自分でクルマを運転して高速道路を走ったことがありません。“主義主張があってのこと”ではなく、ただ単に“怖い”からです。
 明科駅から乗ると長野まで約1時間。今日は「21世紀の河川思想」(天野礼子編・共同通信社)を持って行きました。往復2時間で半分ぐらい読めました(高速道路ではそうはいかない!)。
 桐沢の土石流と治山治水事業や、天満沢の取水口の工事、万水川の改修工事など、次々と事業計画が出てきても、基礎的な知識が不足しているので判断が難しい。本当にそうなのか?なんかヘン、と直感はしても、その根拠は明確にできない。そんな私の入門書にちょうどいいと手に入れた本です。「破綻した近代河川思想を越えて」という言葉を目次のなかに見つけて、それに惹かれたということもあります。
 海外からの報告も含め、いくつかの事例や提案が示され、考えさせられる内容でした。ざっと読んでみた今日は「目からウロコ」の連続でしたが、付箋を付けた所をさらに読み込めば、この私たちの地域に照らして深められるかなと思う。そのあたりは改めて書きたいと思います。

 さて、長野へ出かけたのは、長野県インターネットプロバイダ防犯連絡協議会の総会に出席するためでした。この長い名称の協議会は、各種情報交換や防犯意識の普及や高揚等に努め、インターネット等コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪(ハイテク犯罪)の被害及びその拡大防止と違法・有害情報の排除を図る等の目的で活動をしています。県内のIT関連やプロバイダ関連の企業が会員となって運営しているもので、私も今日は(来賓としてではなく)一会員として参加。

 総会自体はお定まりの進行で、どうという事はありませんでしたが、会員相互の情報交換は大変興味深く有意義なものでした。コンピュータ・ウィルスは一般にもかなりその怖さは浸透し、対策が講じられるようになってきましたが、他にもスパムメール(迷惑メール)、ワンクリック詐欺、フィッシング詐欺、身に覚えのない請求、個人情報の流出、著作権の侵害など、ごく身近なところで様々なトラブルが頻繁に起こっていることが分りました。企業として責任の重さを感じるとともに、個人でインターネットを利用する場合でも、情報セキュリティに対するしっかりとした知識と対策の重要性を再認識しました。

 総会のあとは、(これまた一気に言えないほど長い名称の)関東管区警察局情報通信部情報技術解析課の担当官がキーロガー等、最近のハイテク犯罪の手口の実際とその対策についてデモンストレーションを行い、またとない研修となりました。
 キーロガーというのは、キーボードからの入力を監視して記録するソフト。もともとプログラム開発などに必要なものでしたが、近年ではインターネット・カフェなど、公共の場で利用するコンピュータにこっそりと仕掛けて、個人のIDやパスワード情報を収集して悪用するという犯罪が増えているのです。会社のオフィスなどでも(役場も似たような環境ですね)、ちょっと退席したスキにキーロガーを仕掛けるのは可能、ということで対策の必要性が強調されました。みなさん、要注意!