安曇野地域合併協議会ウォッチング〜その15

市章の決定は「住民と行政の協働で」という不思議

 17日午後、第14回安曇野地域合併協議会は南安曇合同庁舎で開催。
 今回は委員の交代と市章(マーク)公募についての報告と、市章デザインの決定手順とアンケート調査に関する議題のみ。ということは「30分で終わりかな」と思ったのですが、さにあらず。市章(マーク)決定については、これまでにない議論となり、1時間以上も話し合いが続きました。

 はじめに市章の最終選考について、事務局とデザイン選考小委員会から説明。全国から3201点(海外からも数点)の応募があり、5月10日に小委員会の10人(合併協議会の委員で構成)が8時間ほどかけて審査。最終選考にかかる10点を選考。
 この10点については約1ヶ月かけて、他の市町村章や商標登録マークと類似していないかの調査を行い、その結果に基づき、次の小委員会で採用候補作品5点に絞る予定。(この調査、デザイン1点に付き20万円かかるので、10点だと200万円になります。こんなにかかるのか、というのが私の実感。)
 次に決定手順や住民意向調査について説明。事務局案では、5町村の各所帯に新聞折込によるアンケート調査(返信はがきによる)を行い、その結果を参考にして合併協議会において市章を選定する、というもの。アンケート結果で決めるのではなく、あくまでも参考ということです。

この提案に対して
・小委員会の審査でかなりのところまで詰めているのに、これからアンケート調査をしても、その結果が市章決定に影響しないのであればムダではないか。
・そもそもアンケート調査(住民意向調査)は必要か。120万円(アンケート調査経費)使ってまでやることか。
・新聞折込までして大々的にやる必要はない。役場や公民館などに掲示して、人気投票的にやる程度でよい。
・アンケート調査の結果の扱いが問題。住民はAを、協議会はBを、となったら困ったことになる。
・一応アンケート調査はするが、結果は公表しないことにして、選考の参考にする程度でよい。
・アンケート調査をするなら、その結果通りに決定すべき。
・紅白歌合戦方式で、住民50票を協議会委員1票とみなして集計した結果で決めたらどうか。
・市章とシンボルマークは同じものではない、という専門家の指摘があった。別々の扱いで決めてもよいのでは。
・住民参加、住民と行政の協働といった理念から、やはりアンケート調査は必要。新市や市章について市民が認知することが大事で、そのための経費120万円ならムダなことではない。
等々、これまでの合併協議会の中で最も発言数の多い会議となりました。

 あぁ、それにしてもです。
 市章の決定について住民参加、住民と行政の協働にこだわるのは見当違いというものではないでしょうか。住民参加、住民と行政の協働を進めたことにしたくて、市章の決定を利用しているとしか思えません。住民参加、住民と行政の協働を本当に大切にしようというなら、新市の組織機構や、具体的な新市建設計画について、もっと何とかなっていたはずではないでしょうか。
 市章の決定についてアンケート調査したから、住民と行政の協働だなんて、そんなアサハカナことを言ってほしくないです。結局、市章の最終選考については、今回の議論を幹事会で再検討して、次の協議会で再提案することになりました。