実験施設の工事請負契約には反対

穂高広域施設組合議会・臨時会

 今日は穂高広域施設組合(穂高クリーンセンター)の臨時議会がありました。バイオマスエネルギー地域システム化実験事業のための施設建設工事請負契約と、本年度一般会計補正予算の2議案のほか、前年度の一般会計補正予算の専決処分の承認などについて審議し、原案通り可決されました。※右の写真:5月9日付市民タイムスの記事

 バイオマスエネルギー地域システム化実験事業については、これまでも何度も報告していますが、私はこの事業には反対してきました。当然ながらこの建設工請負契約も認めることはできないということで、反対しました。

以下は私の反対討論です。
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 先進型高効率乾式メタン発酵システムについては、確かに単に焼却してしまうより環境には良いと思いますが、日本においてはこの方式に限らず、いわゆる新エネルギーとか自然エネルギーシステムのほとんどは、現実的には採算に合いません。
 なぜなら、日本のエネルギー行政は今後も原子力で行くと決めていますから、本気で新エネルギー、自然エネルギーを導入促進しようという気はなく、採算に合わない構造になっているからです。
 そのような現状認識もなく、バイオマスエネルギー地域システム化実験そのものや、バイオマスエネルギーへの理解もないまま、また十分な議論も尽くさず進むことには大きな疑問を感じます。

 NEDOの事業費は今問題となっている国の特別会計の中の「電源開発促進対策特別会計」と「 石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」から、経済産業省を通して出されています。
 国の一般会計の何倍もの規模がある特別会計についてはその在り方、使い方が問題になっていますが、これら二つの会計については地球温暖化防止対策などもあり、他の会計は削減傾向にあるなかで、NEDOの事業費は特別扱いで拡大傾向にあります。
 その使い方はバラマキとしかいいようがありません。この莫大な事業費のおこぼれにあずかろうと様々な企業が群がっているように見えます。だいたい、随意契約でプラントを作る会社が栗田工業に決まったことに疑問を感じます。業者選定委員会の選考過程は不透明で問題があります。
 経済産業省の外郭団体の実験事業だからといっても、原資は国民の税金であり公共事業というべきものです。競争入札で決めるべきではなかったでしょうか。

 また「借金を減らせ」「税金を上げるな」などと、財政再建を叫びながら、補助事業になると何か得したような気がして、後の事も考えずに飛びついたのではないかとも思える経過を見るにつけ、到底この議案に賛成することはできません。
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 これに対し、生坂村選出の藤沢議員から「国の方針であり、施設更新が迫るなか、この実験事業は不可欠である。ごみ減量のためにはこの方法しかないと思われる。充分検討もしてきたので、賛成である」という賛成討論がありました。ほかに討論(意見)はなく、採決へ。賛成17人、反対は私一人、ということで工事請負契約は承認されることとなりました。

 工事請負契約(契約金額5億1,765万円)を結んだ栗田工業は、し尿・汚泥処理施設工事を巡る談合事件で、公正取引委員会が独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で家宅捜索が入った会社。NEDOとの関係はどうなのだろうか、疑問はますます深まります。