「三郷ベジ」住民訴訟控訴審レポート〜その1

2009年11月18日 23時33分 | カテゴリー: 活動報告

提訴してから2年、やっと「裁判らしい」裁判に

 11月11日(水)は、朝からあいにくの雨。道中はもちろんのこと、東京も一日中降り続けていました。新宿までは高速道を利用し、新宿駅西口に程近いモード学園コクーンタワーの地下駐車場にクルマを停め、あとは地下鉄で。同行の3人は東京に詳しい人ばかりで、私はただ後をついて行くだけで東京高等裁判所に到着することができました。

 ところで、東京高裁、霞が関界隈は、オバマ大統領来日を控えてか、やたら警察官やパトカーが目立ちました。ケータイ写真撮るのもはばかられ、写真は一枚もなしというのがちょっと残念でした。
 東京高等裁判所は、正義の殿堂、権威の象徴といった趣の広い玄関ホールに、地下2階・地上17階もある大きな建物。中に入ろうとしたら思いがけず荷物検査があって、別にあわてることもないのにオタオタしてしまいました。(長野地裁では荷物検査などない!)

 開廷まで1時間近くあったので、地下の喫茶店に入りちょっと休憩。地下1階はさながら商店街のようで、蕎麦屋に喫茶店、コンビニ、書店、郵便局、自販機×飲食コーナー、休憩室などあって、地上階部分の厳格な雰囲気とは別世界の感じでした。この次は、もっと探検してみようと思います。
 ちなみに、朝8時半に出発して、もどってきたのは夜の7時過ぎでした。

 以下は、第1回目の控訴審の報告です。「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんの報告です。

◆住民訴訟 控訴審スタート/東京高裁

 09年11月11日(水)14:30開廷 14:57閉廷 
 東京高等裁判所第22民事部424号法廷 加藤新太郎裁判長
 控訴人側 小林純子 中島嘉尚弁護士 傍聴者3名
 被控訴人(安曇野市長)側 宮澤明雄弁護士 傍聴者1名
 報道 2社

 安曇野市のトマト栽培第三セクター・安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)経営をめぐる住民訴訟は09年11月11日、東京高裁で第1回口頭弁論が開かれた。控訴人側は24ページに渡る控訴理由書(別紙資料2ページ)と控訴人陳述書4ページ、さらに安曇野市の一般財源負担が平成16〜20年度で合計2億9421万円となることを立証する準備書面8を提出。被控訴人側は控訴棄却判決を求める答弁書5ページを提出した。

 口頭弁論冒頭、加藤裁判長が控訴理由を確認。中島弁護士は控訴第1項の丙事件(施設使用料の不払い、建物等賃貸借契約の不法性など)請求(3)(4)について、「一言でいうと、三郷村、安曇野市は三郷ベジタブルと違法な賃貸借契約を結び、20年2月5日には支払い猶予の契約変更をした。これら契約は地方自治法に反し、効力を生じない。一方安曇野市は一般会計から起債償還し、平成19年までに2億2200万円以上を支出。三郷ベジタブルは7138万円の使用料を払うはずだったが、途中から2500万円に減額、支払い猶予した。三郷ベジタブルは不当な利得を得ている。違法な契約に基づく支払い猶予も効力を生じない」と控訴理由を要約した。

 これに対し、被控訴人の宮澤弁護士は「実質的に賃貸借契約ではない。また支払い期限は到来していない」などと反論した。

 加藤裁判長に「どこで決着するのか」と問われた中島弁護士は「賃貸借契約でないとする被控訴人側は、“読み替え”というが、賃貸借はあくまで賃貸借契約であり、読み替えなど理解できない」と主張。加藤裁判長は「真意、あるいは明示でなく黙示ということか」と(賃料読み替えの)意味を分析したうえで「ナンセンスだよね」と端的な評価を述べた。そして「地方自治法改正で制度が切り替えられたとき、なぜ書面をつくらなかったか」と被控訴人側に聞いた。

 これに対し宮澤弁護士は「三郷村は、司法試験合格職員がいる東京都のような自治体ではない。このため従来どおりの形(賃貸借契約)にした」と説明した。

 控訴理由第2項の丙事件請求(1)(2)=賃貸借契約の無効確認など=について中島弁護士が水戸地裁判決を判例に説明。加藤裁判長は「請求は、ものになりそうな請求に絞るように」と指示した。控訴理由第3項=金融機関との損失補償契約=については、中島弁護士が保証契約と実質同じであると説明したのに対し、加藤裁判長は「どこにポイントを置いて決着をつけるか」と聞いた。中島弁護士は安曇農協との損失補償契約が「連携して債務履行に任じる」としていることに注目していることを強調した。

 閉廷後のレクチュアで中島弁護士は「高裁であれほどのやりとりは珍しい。油断はできないが、関心を持っているようだ。全部を控訴するのでなく、要らない部分を取り下げる。20年2月5日の賃貸借変更契約で争う」と次回口頭弁論への狙いを説明した。
 
 書面締め切りは12月11日(金)。
 第2回口頭弁論は12月21日(月)東京高裁で

三郷ベジタブル関連住民訴訟の控訴理由書
控訴理由書に添えた原告の陳述書
安曇野市の答弁書
原告の準備書面