議員定数 決められず/安曇野市議会、3案とも否決

~安曇野市議会9月定例会最終日、質疑・討論・採決の状況~

 安曇野市を考える市民ネットワークの横地泰英さんから届いた傍聴記です、ご覧ください。
◆議員定数 決められず/安曇野市議会、3案とも否決
 安曇野市議会の定数は、4人減か、3人減か、それとも現状の28人か。 9月定例会最終日の25日、議員提出の3議案を記名投票で採決したが、いずれも過半数に達せず否決。12月議会に先送りしたかたち。
 小林純子議員は、条例案審議のトップで4減案に賛成した。「定数については3年間、議会は堂々巡りをしてきた。市民は、こんな議会あってもなくてもいいという気持ちではないか。信頼は損なわれ、改革熱意の不足は明らか。この上は削減を受け入れ、議員一人ひとりが変わるしかない」と主張。提案者の議員は、8月に実施した市民アンケート結果(4減が最多の60%)や、近隣他市の削減状況を参考に24人としたと説明した。採決の結果、賛成12、反対14だった。
 3減案は、安曇野市の人口や社会情勢を踏まえ、議員数削減は避けて通れないとし、他市と比較して10%程度を削減、25人とした。賛成7、反対19だった。  現状維持案は、現在の定数は7年前に合併協で決まったことを説明。当時の地方自治法上限マイナス2人とする〝見なし条例〟であり、その後自治法も改正されたので、条例を定めてまず現状の28人を認知する必要があるとした。賛成11、反対15だった。
 この日の採決した議員は26人(議長と欠員は加わらず)。4減、3減、現状案の順で進め、それぞれの条例案に記名投票で採決した。

 議員定数問題に先立ち、24年度一般会計補正予算案について、市南部の多目的グラウンドを建設するための用地取得費等約1億5千万円を削除する修正動議が出された。利用者予測、アクセス道路、出水対策などの計画が不明確で、事業化は急ぐべきでない、などが理由。これに対し、グラウンド用地は格安で、ここしかないとする修正反対意見がだされた。小林純子議員は「利用者数やアクセス道路についての担当課長答弁はたしかにおぼつかなかったが、なんとか汲み取ることはできた。平成20年からの事業推進の動きを止める修正動議に反対する」と討論で述べた。採決の結果、反対多数で否決された。

 三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会が出した「住民訴訟の敗訴市民に対する訴訟費用請求の撤回を求める請願」は、総務委員会で不採択となっていたが、25日、共産党市議団の下里喜代一議員は反 対討論を通告した。このため訴訟の原告である小林純子議員は請願審議の間、除斥(退席)を求められた。下里議員は「自治体ビジネスは問われなければならない。だが(訴訟は)黒く塗りつぶされた資料や『係争中で答えられない』などの答弁を招き、議会の権能を生かせなかった。原告は議員であり、請願へは賛成できない」と反対討論を述べた。
 終了後議場に戻った小林純子議員は「除斥中(庁内テレビで)傍聴した。反対討論の黒塗り資料や係争中など3点について事実誤認があるので、発言の訂正を求める」と表明。議長、議会運営委員長らと協議の結果、下里議員は「特定議員を指したわけではない。誤解がありましたら訂正します」と述べた。
 議会の権能を生かせなかったのは、まさに原告以外の議員らではなかったか。

2012年9月26日市民タイムス記事