安曇野市3月定例議会小林じゅん子の一般質問(その1)

2013年3月18日 02時17分 | カテゴリー: 活動報告

~北小倉の廃棄物処理施設の防音壁、 その安全性と市がとるべき対応について~

この問題に関する安曇野市からの回答書

 北小倉区で操業している廃棄物処理業者・M社は、一昨年6月に防音壁と称して壁の増設(既存の高さ5mのコンクリート壁に、高さ4.5mのコンクリートの壁を継ぎ足す工事)を行った。その壁は薄く、波打ったように見えることから、住民はその危険性を県に訴えたが、県はM社に壁の構造計算書等を提出させ書類審査だけで震度5に耐えられると判断した。これを受けて市は施設の安全性が確認できたとして、昨年10月にM社の操業の許可更新を行った。

 地元住民からなる対策委員会は、この審査結果に疑問を持ち、審査資料を公文書公開で入手し検証を行った。その結果、M社が県に提出した審査資料には事実と異なることが記載されており、防音壁は審査基準の震度5の地震に耐えられず倒壊の危険性があることが明らかになった。
 そこで、以下に質問する。

1、県はこの防音壁の安全性について、市に対してどのように説明しているか
2、県の説明について、市の見解は
3、地元住民からなる対策委員会が行った検証について、市の見解は
4、防音壁の安全性について市が取るべき対応は
5、虚偽の申請であれば一般廃棄物処理業の許可を取り消すべきではないか

 以上の今回の質問については、実は「獲得目標」(どのような答弁を引き出したいか)を設定していませんでした。通常は当然のことながら「獲得目標」に向かって質問を組み立てます。そうしなければ質問する意味がないからです。
 では、なぜそうしなかったのか?それは、そうできなかったからです。市は「係争中につき答弁は差し控える」を連発するにちがいない。いくらこちらが根拠をもって追及しようとも、その一言でもう先へは進めないことは始めから予想できたからです。
 それでは何のための質問だったか、それは傍聴者のこの声に集約されるでしょう。「小林(純子)さんの質問で市の姿勢がより鮮明にあぶりだされました。この問題にきちんと向き合おうとしない行政の態度を目の当たりにして、住民側はよりいっそう結束を強めて運動していく必要を感じました。」
 私にしても、あそこまで「お役人答弁」に終始し、業者の肩を持つような発言まで出てくるとは思わず、一方的に非難・追及するだけの形になってしまい残念でした。行政側はなかなか自らの非を認めようとはしませんから難しいです。

 小倉部長の、「(写真中のコンクリートは固まっているのに)施工中の写真だからチドリ配筋はこれからじゃないか」とか、「小林議員の発言で、悪質な業者と決めつけるのは問題だ」など、業者寄りの発言に始まり、「業者も調査に協力的で、自らコンクリートを剥がして準備してくれている」に至っては、あきれてしまいました。業者が「ココ見てください」と言ってくるところを調査して、真実がわかると思っているのでしょうか。

 「囲い(防音壁)につきましては長野県より廃棄物処理法上の保管基準上問題はないとの審査結果通知が平成24年9月18日に届き、市といたしましてはこれを根拠に許可との判断をいたしました」と言っていますが、あくまでも「保管基準上問題はない」であって、「安全性に問題はない」とは言っていません。
 県の審査結果通知にも「産業廃棄物法に規定する保管に係る基準上問題ない」、「業者が提出した変更届けにおける構造計算書では震度5に耐えると設定されている」とありますが、どこにも安全性が確保されたとか、安全性が確認できたとは書かれていません。  これは、県の逃げの姿勢の表れでしょうか。「基準は満たしている」と言いながら、「安全性が確保された」と(県は)言っていないのです。
 そんな曖昧な表現の通知を受けたにもかかわらず、市長は「保管基準上問題はない」をもって「安全性に問題はない」と判断した、と答弁しました。

 続いて、「半年以上かかった審査の中で県から増田産業へ4回にわたって補正をかけているが、その補正について市は承知しているか」聞きました。市長も部長も詳しい内容は知らないというので、私の方から以下のような説明をしました。

1回目の補正 24年3月14日
 県は、構造計算で安全率1.2を採用していない理由を増田産業に求める。
 増田産業は、安全率1.0でも十分であるという構造計算書を4月24日提出。

2回目の補正 24年6月8日
 県は、南側壁の安全率1.2での構造計算書の提出を増田産業に求める。
 増田産業は、底盤の幅を当初の3.7mから5.85mに変えて計算した構造計算書を6月20日提出。

3回目の補正 24年7月26日
 県は、なぜ3.7mから5.85mに変えて構造計算を行ったのか説明するよう増田産業に求める。
 増田産業は、次の日の7月27日に「設計では3.7mであったが、より安全にするため5.85mで施工した」と回答。

4回目の補正 24年8月10日
  県は、5.85mで施工したことが確認できる写真等の提出を増田産業に求める。
 増田産業は、「写真はない」と回答。その代わりに、鉄筋納入業者の納品書と施工業者の確認書を8月20日に提出。

 4回の補正は、すべて図面や構造計算書の数値の補正であり、現場の壁は何一つ変わっていない。市長、これをもって防音壁は安全と言いきれるでしょうか。

 これに対する答弁は、「補正についてはいちいち聞いてはいないが、県には絶大の信頼を置いているので、問題があるとは思っていない。」との答弁。工事の完了報告に現場写真がない、写真がないなら工事に使った鉄筋の納品書でいいとか、そんなことで県の審査が通るはずがありません。「安曇野市では工事の完了届に写真がなくてもいいんですね」と市長に聞き返せばよかった。

 3月7日の環境経済委員会でも「12月10日の立ち入り調査の結果は県からどう伝えられているか?」と質問してみましたが、小倉部長は「県からは報告はないが、市も立ち会っていたのでどんな状況だったかはわかっている。しかし、係争中なのでお答えはできません」
 一事が万事この調子で、「まだ県が調査中で虚偽の申請であったかは確認されていない」、「県の調査報告を受けて動く」に終始。「これから市としても防音壁の安全性の調査を行う方向で前向きに検討する」とは言ったものの、これほどの危険な状況を目の当たりにしていながら、係争中との一言で片づけるとは。安曇野市は市民の安全を守ることより、裁判に勝つことの方が大事なのか。