この前の記事に引き続き「会派制」について

~地方議会が国会の真似をしてどうする~

 この前の記事に引き続き「会派制」について書きます。

 まず、「地方議会が国会の真似をしてどうする」ということです。
 国政は議院内閣制を取っています。
 国会は政党会派など院内会派を通じて、総理大臣を選ぶ機能を持っています。
 当然ながら与党会派が存在し、それなりの機能をはたしています。

 地方自治は議院内閣制ではなく、二元代表制です。
 首長は議会(議員)とは別に住民の選挙で選ばれます。
 首長は住民から直接選任されるわけです。 議会(議員)の中から選ばれるのではありませんから、与党会派だとかいう発想自体がナンセンスなのです。二元代表制の本来の趣旨からいって、議会(議員)は首長に対して常に是々非々で臨むこと、チェック機能をはたすことが最も重要なことです。

安曇野市議会の会派名簿(2013年10月22日任期切れまで)

 こんなことから書き始めたのにはわけがあります。 8年前、安曇野市議会として初めて集まった議員の多くが、「市議会」になったのだから当然「会派制」に、という考えだったからです。「市議会になったら会派制」という単純さに驚きました。それまでの旧5町村の議会には会派制は無かったし、穂高町議だった私自身それで何の不都合もなかったからです。会派制などなくても、合併問題を考える議員グループを作って、積極的に活動していたのでなおさらです。

 「市議会」になったのだから「会派制」でいくのが当然って、なんで当然なのかがちっともわかりませんでした。そのうち「ああ、これは国会の会派制に倣っているんだな。町村議会から市議会にレベルアップしたのだから、町村議会には無かった会派制にして、ちょっと偉くなったような気分なのかな」と、そんな気がしてきました。

 そんなことですから、大きな勘違いをしたまま会派は大きい方がいいとばかりに「与党会派」を標榜する会派ができてしまったこともありました。二元代表制の市議会にあって「与党会派」などナンセンスと前段で述べたとおり、これでは市長のやることなすことすべてに事前承認するようなものです。チェック機能など働きません。

 さて、話を現在に戻しましょう。10日の議員懇談会から1週間、会派結成の動きや新人議員への勧誘が盛んなようです。「ようです」と書いたのは、私にはまったくお誘いがないので、噂や風のたよりでしかわからないからです。「○○議員はもう10人集めたらしい」とか「大きい会派を作りたいから一緒にやらないか」と勧誘されたとか、「小林じゅん子議員と組むと思われているのか、どこからも話が来ないんですよ」なんていうのは、当のご本人から聞きました。議長ポストを狙っている3人が調整に入っている、という話も耳に入ってきました。
 これが本当なら、「議長選挙をするのだから、水面下で調整などせずに3人でも4人でも立候補したらいいじゃないですか」と言いたい私です。

 そして、もう一つ言いたいことは、会派へ勧誘する時の常套句の胡散臭さです。「無所属だとなにもできないよ」、「やりたいことがあるなら多数を取れる大きい会派に入るのが近道だ」といった類のことばです。
 わたしに言わせれば、「無所属だからこそ出来ることがある」のであって、「大きな会派に入れば『少数派の考えだ』と一蹴され、やりたいこともなかなか自由にできない」のが会派制の現実です。

 新人議員で何もかもが初めての経験、熱意はあってもやっぱり不安、となると「寄らば大樹の陰」的な発想で会派に頼りたい気持ちになるのも無理ないとは思います。けれども、議員が拠り所とすべきは議会内の会派といった議員関係ではなく、市民であり有権者であり己の信念であるはずです。

 安曇野市議会ではこれまで、会派が縛りとなって議員同士の自由な意見交換や合意形成の妨げになる場面が多々ありました。こういった会派制の弊害を見直すなかで、安曇野市議会基本条例第5条の会派の規定は、「会派を結成するものとする」ではなく、「結成することができる」(結成しなくてもよい)というゆるやかな表現になったのです。
 私はこの議会基本条例のもと、会派を作らず無所属議員としてやっていきたいと考えています。ただし、これはけっして「誰とも係らない、協力しない」ということではありません。私が考えているのは、市民にとって良い政策の実現に向けて協力できる議員がいたら、その政策実現・課題解決に向けて調査研究・勉強し、協働していくというやりかた。これなら固定した会派とは違って、一人ひとりの議員の考えが尊重され、会派拘束といった数の論理が支配することもなく、議員本来の活動ができると思います。。