選挙後の初議会で正副議長選挙

~USTREAM(ユーストリーム)で議長選挙をライブ中継~

歴代の安曇野市議会議長

 10月30日は選挙後の初議会でした。午前10時開会で、まずは議長、副議長の選挙が行われました。今回初めて本会議場で議長候補者の声明(所信表明)が行われ、それがそのままUSTREAM(ユーストリーム)によってライブ中継されました。投開票の様子まで配信され、「市民に開かれた議会」にわずかなりと近づくことができたように思いました。

 信政会の宮下明博議員の所信表明には「議員相互間の信頼関係を構築した上での議会機能の強化」が課題だとありましたが、機能不全を起こしている議会の実態に目を向けなければ機能強化どころではないと、私は考えました。
 定数25に対して15人が集まる与党会派が、「議員相互間の信頼関係を構築した上での・・・」と言う時、それではたして行政に対するチェック機能が働くでしょうか。数にモノを言わせて、市長提案の議案を右から左へと通していく形になってしまうのでは、むしろ議会の機能低下につながることになります。
  無所属で立候補した荻原議員の所信表明のポイントは「民意を鏡のごとく映す議会にするために、与党会派政治をなくし議会機能をはたしたい」というもので、宮下議員と同じ方向を目指しながらも、アプローチの仕方はまったく違うということがわかりました。

 こうして議長選挙に2名が立候補したことにより、所信表明が公開の場で行われ、市民にもどんな考えを持った人物が議長に選ばれるのか知ってもらうことができました。でなければ、大きな与党会派の間で事前調整によって絞られた一人だけが立候補し、結局は指名推薦という形で(投票をせずに)決まっていたかもしれません。
 投票の結果は宮下議員19票、荻原議員6票で、宮下新議長の誕生となりました。

 次の副議長選も同様に、事前調整で決まっていたと思われる政和会の平林徳子議員と、それはならじと立候補した共産党の松澤好哲議員の二人が名乗りをあげ、投票による選挙となりました。結果は平林徳子議員19票、松澤好哲議員6票で、副議長は平林徳子議員に決まりました。

 19対6という票数から議会内の勢力関係を見てみると、信政会9名、政和会6名、公明党3名、無所属1名の合計16名が保守で与党的な立場の議員ではないかと推測できます。6の方は共産党3名と無所属3名(荻原勝昭、増田望三郎、小林じゅん子)だと言って、ほぼ間違いないでしょう。
 この19対6という数字が議案審議・採決でどう動くのか、あるいは動かないのか、市民の皆さんにはぜひ注目していってもらいたいのです。いつも決まり切ったように19対6ということであれば、議会は相変わらずの機能不全ということになるでしょう。

 さて、正副議長が決まったあとは常任委員会、議会運営委員会等の委員を決めること。そして委員会の正副委員長を選ぶこと。
 8年前の初議会ではこれに手間取り、議会終了して帰宅したころには午後10時を回っていました。それに懲りたか、4年前の初議会ではだいぶ短縮され、午後7時ごろには終了したと記憶しています。で、今回はどうだったか?やけにスイスイと決まり、午後4時前にはすべての議事が終了しました。

 意外や一番手間取ったのは議会広報特別委員会の正副委員長選任でした。議会広報特別委員会というのは、「安曇野市議会だより」の編集・発行が主な仕事です。
 これがかなり骨の折れる仕事だということと、議案の審議や議決に直に係ることがない委員会だということから、なかなか委員長のなり手がないのです。それじゃあどうなるかといえば、一年生議員や野党会派的議員が押し付けられたりするわけです。
 今回もそれでもめたのかなと思いきや、新人の増田望三郎議員が委員長に手を挙げたところ(これまでの例によれば増田議員でキマリ!のはずが)、もう一人立候補があったので投票で決めたとのこと。政和会の坂内議員が委員長に、そして増田議員は副委員長ということになったわけです。従来の議会だよりだけでなく、ネットを活用した情報発信を提案した増田議員(安曇野市議会最年少の44歳)は、年長議員にちょっと敬遠されたのかもしれません。

 ところで、この各委員会の正副委員長の顔ぶれを会派別に見てみますと、これまた19対6の勢力関係が反映されている事がわかります。与党会派である信政会・政和会が6委員会12ポストのうち8、公明党が2、共産党が1、無所属が1となっています。もともと与党会派が多数なので、こんな形になるのも無理ないのですが、ここに正副議長と監査委員も加わりますから、「これでいいのか?」というくらい信政会・政和会が突出しています。このあたり市民の皆さんにも、しっかりと注視してもらいたいです。

◆平成25年第2回臨時会(10月)の議案等と議決結果  http://www.city.azumino.nagano.jp/gikai/info/2013/10ringi/nittei2510.html