農薬の空中散布めぐり議論/子どもたちの健康への影響心配

2014年4月9日 00時15分 | カテゴリー: 市民からの投稿

信濃毎日新聞2014年4月6日朝刊でも報道されました

 安曇野市は松枯れ対策として殺虫剤の空中散布を検討しています。市民も無関心ではいられないということで、学習会が開催されました。私も参加し、空中散布で健康被害を受けた上田市の田口さんのお話を聴きました。
 88年~93年にかけて旧穂高町で空中散布の反対運動をしていた者としては、やっと止まった空散が松枯れ防除で再開するかもしれないと思うと、あれほど訴えた空中散布の危険性はどうなったのだろうかと疑問だらけです。
 3月議会の一般質問でこの問題を取り上げましたが、20分という限られた時間でどう焦点化して聞くか迷いました。農薬の危険性をあれこれ言っても、国の基準に従って行う、地元が空散を望んでいる、等々のお役所的答弁が返ってくるだけだと思ったからです。
 それよりも、現在やっている安曇野市の松枯れ対策の方向性を評価し「自然の摂理にあったやりかた」を理解、拡大してもらうことの方が重要ではないか。そこを狙って質問しました。加えて、松枯れに空中散布をしても効果はほとんどないことも強調しました。

 薬剤の安全性のことでは、農薬の歴史をたどれば、けっして安全とはいえない歴史だったことがわかります。農林部長が「国の安全基準を満たしている」と答弁しましたが、それは百歩譲って現時点での評価でしかありません。
 たとえば、戦後まもなくアメリカからDDT(有機塩素系農薬)が入ってきました。安全だと言われていましたが、60年代「沈黙の春」がその危険性に警鐘を鳴らしました。それで、より安全だという有機リン系の農薬にシフトしていきました。しかし、これもまた多くの健康被害や環境ホルモンの問題で安全性が揺らぎ、EUではすでに使用禁止になっています。
 そして登場したのがネオニコチノイド系農薬。よく効き、有機リン系より安全だということで普及しました。しかし、ミツバチの大量死の問題がクローズアップされ、これまでの農薬とはまた違う次元での危険性が指摘されています。
 以下は、安曇野市を考える市民ネットワーク・横地泰英さんから届いた学習会のレポートです

◆農薬の空中散布めぐり議論/子どもたちの健康への影響心配
  健康被害を訴える保育園長を講師に勉強会

 松枯れ対策で有機リン剤を空中散布する安曇野市の計画について考える学習会が、安曇野市明科で2014年4月5日開かれた。講師に招かれた上田市長瀬の保育園長 田口操さんは、これまで10年以上続けてきた反対運動を説明し、佐久総合病院医師らの協力・指導を得て、上田市長が空散中止決定に至った経過を市民ら40人に詳しく報告した。意見交換では、農薬や空散についてなお情報整理や議論が必要という声が多く、2回目の学習会を開くことになった。

 報告によると、田口さんは10数年前の6月、窓を開けて睡眠中、「突然息ができない状態になった」という。「近くで空中散布があった」と上田市。2008年には園児や保護者も空散の時期に頭痛などを訴えたため、市に中止を求めた。有機リン剤はいろいろな健康障害を起こす。頭痛、肩こり、めまい、倦怠感など。欧米では、うつや神経症状を発生させるとして、空散は中止。市場から排除している国もある。

 田口さん、母親たちは立ち上がったが、行政の壁は厚かった。農村医学研究所医師が協力し、上田市民2000人へアンケート調査。700~800人の回答を得て、680人分をまとめた。空散に近い人ほど粘膜症状などを訴えていることが分かり、医師は「人体実験をしているのか」と行政を追及した。メディアも取り上げ、上田市長に会うことになったが、その前日に「空散中止」が決まった。すでに他県では、群馬県、島根県出雲市で空散は行われていない。

 田口さんは「保育園児に多動、不整脈などの健康障害が増えている。安曇野の子に悲しい被害が心配だ。安曇野市は何を考えているのだろうか」と警告。参加した公民館関係者も「軽度発達障害の子が爆発的に増えている。10~20年前にはなかったこと」と訴えた。小林純子市議も「私は学校教育現場15年いたが、ここ10年、発達障害の子は増えている。合併前の安曇野では、平成になってからもかなり遅くまで田んぼの空散をしていた。その時代に育った人が親になっている。農薬と断定はできないが様々な化学物質の影響が心配だ」と指摘した。

 学習会では「松枯れには空散が効果的と考える」という意見や、「学習、議論がなお必要。賛否双方が中立的に参加する形で」などさまざまな提案があり、4時間以上にわたって議論が続いた。

※2回目の学習会は、4月26日午後1時半から、明科の「ひまわり」で開くことになった。