M産業の一般廃棄物処理業の許可更新は市独自の判断すべきでは

高さ10m程もある防音壁、県は「処理施設ではない」と見解を変えてきた。なぜ?

~安曇野市議会12月定例会
小林じゅん子の一般質問(その1)~

【小林質問】 増田建設産業(以下M産業)の一般廃棄物処理業の許可については、既にこの9月末に2年ごとの更新の時期を過ぎてしまっている。前回、平成24年9月28日付の許可更新においても、危険な防音壁の問題で県に対し安全性に関して審査を依頼していたが、結論が出るまでに時間がかかり、許可更新が1年4カ月も遅延した経過がある。平成26年10月中旬、M産業から県へ産業廃棄物処理業変更届の不明事項に関する回答があった(注1)と聞くが、その後の最終的な県の見解と市の対応は。

【市長】 市としては県から積極的な情報提供を受けていない。M産業が県へ報告したという事実のみ承知しているだけなので、最終的な見解については県の裁量の範疇であるとしか言えない。

【小林質問】 防音壁の危険性が問題になって既に数年が経過した。市独自の調査でも危険性が明らかになった。煮え切らない県の対応・結論を待つよりは、一般廃棄物処理業に関する市の許認可権が及ぶ範囲で許可更新の審査を行うべきではないか。

【市長】 廃棄物行政においては、これまで県と協調してやってきたのに、今回市に情報提供されなかったことは非常に遺憾(注2)である。県がM産業の施設について今までと違った見解を示した(注3)ことについても、市として改めてM産業の現場等を精査し、場合によっては一般廃棄物と産業廃棄物の処理のあり方を切り離し、産業廃棄物については県にしっかり責任を持ってもらいたい。市としてはもう少し時間をかけて慎重に対応していく。

【市民生活部長】 M産業からは一昨日の12月8日に、一般廃棄物処理業の変更届が提出された。具体的な内容は、今までの一般廃棄物の保管場所を若干移動し、西側の壁から離したというものであった。県の見解が変わったことに加え、M産業の変更届けについても検討を要するので、これからの判断になると思う。

(注1)と(注2) 平成26年10月20日、私は松本地方事務所の建築課の職員(増田建設の担当者)と防音壁(当初は擁壁として建設されたもの)の建築確認について話をした。そのとき、遅れに遅れていたM産業からの回答は10月14日に地方事務所の建築課に届いたと聞いた。しかし、このことについて県は、安曇野市の廃棄物対策課が11月末頃に問い合わせするまで黙っていた。

(注3) M産業の処理施設は、破砕機と周りの壁(囲いであり防音壁でもあるもの)も含めて一つの処理施設だという認識であったはずが、ここへ来て県は破砕機のみが処理施設だと裁判のなかで主張してきた。周りの壁は、下にある保管施設としての壁と、上に継ぎ足した防音のための壁は別のものであるという認識も示している。

いずれにしろ、県は許認可権者としての不手際を隠すために、「苦しまぎれの言訳」をしているとしか思えません。