市制施行10周年記念市民パレードの予算1,000万円に納得するか

地方議会議員年金に要する経費の公費負担額の推移

~問題点を指摘しつつ
      一般会計予算に賛成討論~

 市民生活のすべてに関わる膨大な予算、部分的には問題があったとしても、そのことで全否定するわけにもいきません。反対するなら予算案に対する修正案を出すのが筋だ、というも議員も多いです。その一方「修正案を提案するのはタイヘンだし、まあこれぐらいなら賛成しておこう」という市長与党的立場の議員も少なくないのでは。
 無所属議員の私としては、修正案提出に賛同する議員2人を見つけてくることもかなりのハードル。ならば、発言のチャンスは最大限活用する方法として、問題点を指摘し見直しを要望する形で賛成討論を行う、こういうパターンが多くなってしまいます。今回もそんな形の賛成討論で新年度予算に賛成をしました。

◆平成27年度平成27年度安曇野市一般会計予算に賛成討論
 平成27年度安曇野市一般会計予算に対して、賛成の立場から討論いたします。本予算案の内容については、どうしても気になる点があるので、二点の課題を指摘した上での賛成討論とします。
 平成27年度は市制施行10 周年を迎えます。紆余曲折を経て新庁舎が完成し、新たな体制のもとで、市民サービスの充実と効率的な行政運営を目指す大きな節目の年でもあります。分庁方式解消による事務経費の徹底した削減を敢行し、最少の経費で最大の効果を挙げる市民本位の予算編成に取り組むとの決意。期待したいと思います。

 ただ、合併10年といえば、忘れてならないのが普通交付税の問題です。現在、合併算定替の措置がとられ、平成26年度は一本算定と算定替の差額が25億円余りでした。これが、平成28年度からは一本算定に向けた減額がはじまり、平成33年度からは本来の算定方法となり加算はなくなります。したがって、平成33年度までにこの25億円相当額の経費削減を行わなければならないわけですが、その喫緊にして重大な課題への取り組む努力がまだまだ十分でないのは残念です。
 特に10周年記念事業の取り組みの中には、従来の古い観念から発想した事業が多く、10周年以降の厳しい市財政に対する覚悟が見えません。とりわけ、市制施行10周年記念市民パレードの予算1,000万円です。これが市民の更なる一体感の醸成や未来に向け新たな出発点となるようなものか疑問であり、10周年記念事業総額で8,515万円のうちの1,000万円と考えると、市民ニーズもどれほどのものかと首を傾げざるをえません。

 もうひとつ、別の観点から疑問の予算があります。我々議員に関わる議会費予算です。27年度当初予算では思いがけず議会費が跳ね上がっています。地方議員共済への公費負担率が52.8%から63.7%へと大きく引き上げられたからです。1,000万円以上増えています。
 地方議員年金制度は平成23年に「名目上」廃止となりましたが、制度廃止時点において12年以上の在職期間を有する受給資格者の「議員特権」はそのまま温存されたことで、受給者への支給あるいは遺族年金を維持するために、現在も各地方自治体から多額の公費補てんが続いているのです。地方議員年金の財源を国民・市民に肩代わりしてもらっている現状を、議員としても見過ごすわけには行かないと考えています。国に対して地方議員年金制度の抜本的見直しを求めていくにしても、まずはこの新年度予算で問題を指摘しておく必要を感じた次第です。

 以上、課題を二点指摘した上で、一般会計予算に賛成します。