新体育館建設関連予算の修正案に対する賛成討論

~基本設計作成料、地質調査などの6678万1千円の予算を削除~

賛成討論する小林純子

議案第22号 平成29年度安曇野市一般会計予算 修正案(教育費)に対して賛成討論を行います。

まず、最初に念押ししておきますが、今回の予算修正は、新体育館建設そのものを否定するものではありません。これからの安曇野市を考えた時に、一般市民にとって必要とされる施設規模と安曇野市の財政の将来に不安を残さない整備費用という観点から、再検討が必要だと考えたからです。

とりわけ必要と思われるのは財政面からの再検討です。今、進もうとしている計画では、完成後の維持管理費年間6,300万円と毎年の返済費用5,450万円。合計1億1,750万円を20年間にわたって市は負担することになります。本当に不安はないのでしょうか。

市長は、「合併特例債事業とすることで将来負担の抑制が図られる」と、繰り返し説明してきました。「合併特例債や補助金に頼らない方がいいと言っても、安曇野市が使わなければほかに取られてしまうだけだ」という議員もいます。

財政部長も、借入金や公債費という数値は確かに増加をしているが、制度上、交付税による財源補填を受けることによって、市税負担は少なく抑えられていると解説します。合併特例債のように元利償還金の70%が交付税算入されるものや、臨時財政対策債のように100%交付税算入される借金もあるのだから、市の借金が全部で871億円もあるといっても驚くにはあたらない。という力説する議員もいます。

しかし、ほんとうにそんな発想や考え方でいいのでしょうか。なぜ合併特例債の制度ができたのか、なぜ臨時財政対策債は100%交付税算入されるのか、ということを冷静に考えてみれば、けっしてそんなにいいものではないのです。地方自治体の財政では、借金は収入だという意識が強いように思いますが、借金にも資産形成のためのローンと借金のための借金であるキャッシングがあります。臨時財政対策債は言わば生活費が足りなくてキャッシングを繰り返しているようなものです。そんな苦しい家計であっても家を建てたいと思えば、できるだけ有利なローンを組もうとするわけですが、それは所詮無理な話です。

私たちは、すでにゼロ成長の時代を迎えています。高度成長やバブル経済を経て税収や給料が増えることに慣れ、それを前提に考えていては将来を誤ります。

市長は、この3月定例会の中でいみじくもこうおっしゃいました。「あれもこれも全て行政ができるという時代ではない。市民の要望をすべてかなえるということはできない」と。

市財政の将来に対する不安は大きいのであり、新体育館の施設規模、建設費用の縮小見直しが必要と考え、修正案に対する賛成討論とします。

※採決の結果、残念ながら賛成7人、反対17人で修正案は否決となりました。