公共施設の再配置をどう進めていくか

2018年3月29日 11時03分 | カテゴリー: 議会報告

~安曇野市議会3月定例会
     小林じゅん子の一般質問(その1)~

2018年3月5日市民タイムスの記事

安曇野市合併に当たって、公共施設の調整までは行いませんでした。対等合併で進めていた合併協議においては、公共施設の調整、対応は難しく、そこに触れたら合併は頓挫すると思われるほど深刻な問題だったからです。人口10万人の一般市として発足した安曇野市の場合、合併前にそれぞれがフルスペック主義の発想で施設を整備し、計画中のものはほぼ合併後に引き継がれました。それらの統廃合や再編には住民の合意が簡単に得られる状況にはないことは暗黙の了解として表面化することはありませんでした。

一方、対等合併して安曇野市として保有することとなった多くの公共施設は、少子・高齢、人口減少時代にあって、今後、現在の公共施設を同規模で持ち続けることは困難であり、規模、数とも縮減に向けて努力していく以外に道はありません。しかし、これがいい形で進んでいるとはとても思えない状況が見えますので、一般質問に取り上げました。

以下に、一般質問でのやりとりを、市議会だよりに掲載する内容よりも詳しくまとめましたので、ご覧ください。

 

 

【小林質問】 長峰荘、穂高プールの存続について、市長は結論を先送りした形である。議会開会の挨拶の中では、「指定管理者の御理解により、長峰荘、穂高プールの両施設は、平成30年度も引き続き営業いただける見込みです」との発言もあった。これは問題の焦点をぼかした発言だ。公共施設再配置計画を進める上で、どこに問題があったと考えているか。

【宮澤市長】 全ての公共施設を維持していくとなれば、年間約40億がかかるという試算の中で、公共施設全て持ち続けていくということは困難である。子や孫に借金を残してはいけない、箱物は建ててはいけないと。その一方で、残してほしい、建てかえてほしいという住民の願いもある。矛盾を感じざるを得ない。いずれにしても、この計画を立てた段階で、対象となる市民に対する説明責任に欠けていたとの反省はある。

したがって、常に市民と協働のまちづくりを進めていくということでは、丁寧に説明責任を果たしながら市民の知恵と力をかりていくことと捉え、開かれた市政運営に努めていきたい。

【小林質問】 公共施設の再配置については、現状把握と推進計画、それから基本方針まで、迅速に進められてきたと思う。ところが、実際の再配置の作業に当たって、なかなか手がつかずここまで来てしまった。長峰荘、穂高プールに関しては、結局、その所管課が、老朽化が進むこの現状の中で、何とかしなくてはいけないというので、廃止計画が唐突に出てきたが、住民合意が困難という状況だ。

市長は、「市民は総論賛成だが各論反対で、なかなか進まない」と度々語っているが、「総論賛成、各論反対」を逃げ口上にして、「総論」をきちんと市民に理解してもらうことなく各論に入ってしまったため、長峰荘も穂高プールも難しい状況になっている。まず「総論」を全市民にしっかりと受けとめてもらうことが必要だが、「総論」の理解と住民合意の形成に向けて、丁寧に取りみサポートする担当者・専門部署を置いてやっていく考えはないか。

【宮澤市長】 一つの提案として内部で検討をしたい。今回の反省も踏まえ、公共施設再配置計画の裏づけとなるデータを市民に説明し、理解と協力をお願いしていく。

【小林質問】 今ここで市長が長峰荘と穂高プールの存続、廃止について、今後の1年間でやろうとしていること、それこそが、市民とともに進める公共施設の再配置だと思う。しかし、それはもっと早くにやっておかなければならなかった。今このように、場当たり的な進め方になってしまったことへの反省と、今後の市民と進める公共施設の再配置計画ということでは何が大切かということを、改めて伺う。

【宮澤市長】 市民に対する説明責任が十分それぞれの部署で果たせなかったという反省はある。そして市民には、不満、不安を与えてしまったかなという思いはある。したがって、市の姿勢としては、上から目線でなく常に市民の皆さん方の目線に立って、持続可能な安曇野市づくりに市民のの知恵と力を借りて、時代の変化に対応した行政運営を考えている。

【小林質問】 市長から反省の弁があったが、もう一つ問題を指摘しておきたい。平成25年に公共施設の白書ができ、27年には公共施設の再配置計画の基本方針が出たが、何とその直後に新総合体育館の建設計画が公表された。これは市民から見たら、市長みずからが再配置計画と矛盾するような、そして「総論」の説明根拠を失わせるようなことをしたということになる。それからというもの、この再配置計画の進行が頓挫していると見えるが、市長の見解は。

【宮澤市長】 (市長選の)公約の中では体育館を建設するという約束は一切していない。合併協議の中で、旧豊科町が南部総合公園に体育館をつくる計画が新市に引き継がれたので、平林市政から引き継いだものだ。この体育館をつくらないで、長峰やプールの方へ回せという意見も一部市民から聞いているが、長峰荘や穂高プールの問題とは切り離して考えるべき課題ではないか。あくまでも合併時の約束事を守っていかなければいけない。


《一般質問を終えて》 この一般質問の獲得目標は、公共施設の再配置計画を進める上で、宮澤市長の取り組みに問題があったことを認めさせ、公共施設再配置の今後に向けて、「総論」の理解と住民合意の形成のために、丁寧に取り組みサポートする担当者・専門部署を設置させること。

じっさいに、どこまで追及できたかといえば、「公共施設の再配置計画を立てた段階で、対象となる市民に対する説明責任に欠けていたとの反省はある」との答弁はありました。しかし、公共施設の再配置計画と新総合体育館の建設は矛盾しており両立しないのでは、との問いかけには残念ながら、矛盾だらけの答弁しか返ってきませんでした。いわく、「体育館を建設するという公約は一切してない」、「あくまでも合併時の約束事を守っていく必要がある」、「新体育館の建設と長峰荘や穂高プールの問題は、切り離して考えるべき」等々。

新体育館建設が市長選の公約になかったのですから、合併時の約束を見直すことは、むしろ歓迎されたはずです。新体育館建設を再配置計画と切り離して考えるという特別扱いが、後々の障害になるということが、なぜ市長には分からないのでしょうか。