ポスターや保護者向けのチラシで「香害」啓発

2018年6月25日 00時36分 | カテゴリー: 議会報告

~安曇野市議会6月定例会
     小林じゅん子の一般質問(その2)~

朝日新聞に掲載された「香害」の意見広告

まずは、これ(左の写真)をご覧ください。かわいらしいピンクのバラ模様のボトルは柔軟剤でしょうか。そこから、ほのかにいい香りがと言いたいところですが、怪しげな毒ガスが噴出しているようにしか見えません。キャッチコピーは、日本に新しい公害が生まれています。その名は「香害」。先日6月5日の朝日新聞に掲載された、この意見広告は、こう訴えています。

柔軟剤や、洗剤の人工的で過剰な香りに苦しんでいる人が増えています。香りに含まれる化学物質が、めまいや吐き気、思考力の低下を引き起こす化学物質過敏症の原因の一つになるのです。中には、友人や同僚の服についた香りにより、学校や職場にいけなくなるといった、深刻な問題を訴える人もいます。エチケットのつもりでつけていたあなたの服の香りが、だれかの健康を奪っているかもしれない。

ということで、におい・香りによる深刻な影響・「香害」について、これが今回の質問のテーマです。芳香剤や柔軟剤などに使われている香料には、多種類の危険な合成化学物質が使われており、その健康被害については、化学物質の影響を受けやすい発達期の子供には特に注意が必要です。日本では、まだ香料や香りの有毒性に対する認識が薄く、国の規制を待っている間に被害が広がってしまうおそれがありますので、自治体や市民みずからが「香害」の啓発や柔軟剤などの合成香料を多用した製品の使用を自粛する、こういった取り組みが必要であると考えたわけです。

【小林質問】 安曇野市において、香りの害の実態はどうでか。一般市民のほか、子供たちの教育の現場、学校では香りの害は認識されているか。

【市民生活部長】 芳香性を工夫した商品は、一方でそのにおいが気になるなどの苦情が、国民生活センターには多く届いている。平成25年度以降、中信消費生活センターに寄せられた件数が6件、また全県下では19件と聞いている。今のところ安曇野市の消費生活センターへの相談はないという状況である

【保健医療部長】 国民生活センターへ寄せられた柔軟仕上げ剤等のにおいに関する相談の中には、においがきつくて、頭痛や吐き気がある、咳が止まらないなど身体の危害に関するものも寄せられているとのこと。また、化学物質に過敏な方やアレルギー体質の方の中には、わずかな化学物質に反応して頭痛、息苦しさ等のさまざまな症状が出ることも知られている。市では今のところ、市民からはこのような身体の不調などの相談を直接受けていないため、健康被害の実態についてはつかめていない状況です。

【教育部長】 今のところ、市内の小・中学校において家庭からの特別な配慮等の要望は受けていないが、柔軟剤等のにおいに不快感を示す児童・生徒の数は5人、教職員の数は1人と報告を受けている。換気をこまめに行ったり、脱臭剤を置くなどの対策をしている。

【小林質問】 まだそれほど深刻な被害が出ていないということだと思うが、これは被害がないというより被害として認識されていないからだと思われる。私がこの一般質問で取り上げるということをきっかけにして、多くの声が私にも寄せられているが、「においのことで個人差もあるし、これが健康被害だとかなかなか言えない。話題にするのもちょっと気が引ける」というようなことで、香害が表面化していない気がする。

香害は、柔軟剤の香りそのものの害と、この香りを持続させる、香りをとれにくくするために使われているマイクロカプセルの材料にイソシアネートという猛毒の化学合成物が使われている問題がある。特に心配なのは、発達段階にある子どもたちの脳神経に、鼻から直接その有害物質が届いて悪い影響を与えるということ。
そこで、柔軟剤などに使われている香料の危険性について、これを市としてもぜひ啓発していっていただきたいが、具体的な取り組みについて伺う。

【保健医療部長】 平成26年度に長野県が作成した啓発チラシを市内の保健センター等に掲示した経過がある。柔軟剤等の香りで体調不良を起こす可能性があるので、個別の相談があった場合には対応をして、必要に応じて啓発等を行っていく。

【教育部長】 香害の啓発活動として、保護者や業者の方など来校される方へ呼びかけるポスターを学校の玄関へ掲示すること、また保護者向けのチラシを作成し、配布することなどを検討していく。

 

殺菌、除菌、消臭、防臭と、行き過ぎた清潔志向と、それをあおるような製薬会社や洗剤メーカーのTVコマーシャル。これら洗剤や柔軟剤等のメーカーは、大口スポンサーですから、「香害」についてマスメディアはあまり取り上げてきませんでした。

国も、柔軟剤と健康被害の因果関係が証明できないということで対策に消極的です。
このうえは、市民の近くにいて香害の実情がよくわかっている自治体が、そしてメーカーからの影響を受けにくい自治体が、市民ファーストで動くしかないと思います。

安曇野市の取り組みにより、広く市民の皆さんにも「香害」を知っていただき、被害を遠ざけること、そして香害をもたらす製品の規制を求めることにつながればと期待しています。

◆参考情報
「香害110番」に200件超の苦情 政府の対策はピント外れ?
週刊金曜日オンライン 岡田幹治|2018年6月11日12:25PM
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2018/06/11/antena-257/