安曇野市議会6月定例会 小林じゅん子の一般質問
~支援センターありきの第2次工業振興ビジョンの問題と不透明な随意契約~
一般社団法人あづみ野産業振興支援センター(以下支援センター)は、市が企業への支援体制の強化・充実を図ることを目的に、それまで産業支援コーディネータを置いて行っていた業務を、令和元年5月から受託している。第2次工業振興ビジョンの17カ所にその名が出てくることからも、市の並々ならぬ期待が感じ取れる。しかし、課題や問題点も見えてきたので、5項目に亘って質問し見直しを求めた。
Q1【小林質問】 市の第2次工業振興ビジョンを実現するための実働部隊という位置づけの「あづみ野産業振興支援センター」(以下支援センター)とは、どのような組織か。
【商工観光部長】 市の産業支援コーディネータだった者が、地域産業活性化支援を目的に設立した一般社団法人だ。
【小林質問】 支援センターは非営利型一般社団法人として活動しているが、間違いないか。
【商工観光部長】 非営利型一般社団法人か否か、市では確認できていない。
【小林質問】 非営利型一般社団法人として市と業務委託の随意契約をしているのに、実態が違うとすれば問題だ。随意契約の理由等、詳しい説明を。
【商工観光部長】 随意契約理由書に間違った記載があり、訂正しないまま業者選定委員会を通ったものである。
【小林質問】 随意契約伺書には8人の決裁印がある。誰も気付かなかったとは考えにくい。虚偽公文書作成が疑われるが、業務委託2年間の実績はどうだったか。
【商工観光部長】 成果は出ているが、詳細は企業情報のため公表できない。
【小林質問】 支援センターありきの第2次工業振興ビジョンの問題、不透明な随意契約、成果が見えないまま予算は毎年2倍、3倍と増額している。一般社団法人の支援センターを、市が関与できる一般財団法人にすることも含め、見直しが必要ではないか。
【商工観光部長】 支援センターの財団法人化の必要性も含め、見直しは当然必要だが、工業振興ビジョンを検討した商工業振興審議会等の意見を待って行うことになる。
※随意契約理由書の記載に間違いがあった点について、商工観光部長から謝罪の言葉があったが、本当に間違いだったのか、あるいは虚偽記載だったのかは調査中。
《まとめ》
支援センターは、市の工業振興ビジョンに、市と連携し企業支援策を展開する団体として位置づけられていますが、その実態は市の産業支援コーディネータだった人たちが、市の意向を受けて設立した俄作りの法人です。市は、この業務に相応しい人材を雇用するよりも、支援センターに業務委託する方が安上がりというのですが、ここと随意契約しているのですからむしろ高止まりではないか。この2年間、予算は倍増していますが、どれほどの成果が上がってるかは疑問です。
非営利型一般社団法人だと強調し、市と連携して公益性の高い仕事をしているかに見えますが、県に公益認定申請を行い、厳しい審査を通らなければ設立ができない公益社団法人とは全く別もので、法務局への登記のみで簡単に設立できるのが一般社団法人。その法人形態を利用し、いかにも立派な法人と連携して事業を進める安曇野市のイメージだけが先行している現状を変える必要があります。