高齢者の増加に伴って介護サービスを必要とする人は確実に増えていきます。(低賃金を前提とした女性の仕事とされてきた)介護労働者の待遇改善も急務です。介護保険はいくらおカネがあっても足りない状況です。国の負担率を上げないかぎりは保険者負担は増すばかり、保険料の値上げで対応するには限界に来ていると思います。
しかし、そうであっても介護保険制度は私たちにとって無くてはならないものになっていることは間違いありません。私の母は92歳になりますが、7年前から介護サービスを利用するようになり、現在は要介護5。介護保険がなければ、家庭介護と議員の仕事の両立は難しかったと思います。脳梗塞で倒れてからは、病院と老健施設を行き来していますが、今のところ本人の年金の範囲内で費用は賄うことができています。
これが、基礎年金しかない、あるいは無年金という人、一人暮らしの高齢者など、介護サービスの利用はおろか、介護保険料の支払いも困難というケースもあるのではないでしょうか。このあたりは社会保障全体の問題として、国にしっかりしてもらわないとどうにもなりませんが、人々の暮らしに最も近いところにある市町村としては、不十分な国の制度からこぼれおちてしまう人がいたなら、すぐにも救いの手を差し伸べる安曇野市であってほしいと思います。
◆安曇野市介護保険条例の一部を改正する条例について賛成討論
介護保険は日本が世界に自慢できる制度です。一つに、国民皆保険であること。二つに現金給付でなくサービス給付であること。三つに給付水準が国際的にみても高いこと。そして、最も重要なことは、「介護は家族だけの責任ではない」、つまり「介護の社会化」ということへの国民的な合意を作ったこと。
もちろん、課題も多いことは承知しています。しかし、国の制度にのって自治体が運営していくことの限界があり、今回の条例改正が必要になったと理解しています。保険料の値上げにあたっては、所得段階区分を8段階から12段階に細分化して、低所得者層の負担を抑える努力がなされています。
十分な介護サービスと、それを支える介護労働者の待遇改善を考えれば、保険料の値上げはやむを得ないので、今回の介護保険条例の一部を改正する条例については賛成します。(賛成多数で可決しました。)