本会議はこれを受けて、質疑、討論を行った。
原案賛成の立場で松澤好哲議員は「住民投票は安曇野市として初めての重要なことだ。私達の市民アンケートでは87%が約80億円も使う本庁舎建設に反対、疑問を呈した。いったいどこで市民意思を決定したのか。説明会、パブコメ、審議会・・・コンセンサスのとり方は最初から間違いがあった。一人当たり90万円を超す市の借金。国保、介護保険の赤字。本庁舎に高額のお金を使うことには反対も強く、住民投票の条例請求となった」と述べた。
小林純子議員は「住民投票条例の直接請求は、二元代表制への問題提起と言える。市長は、行政と議会が同じ意見なら住民投票の必要はないというが、その否定が住民投票請求だ。人は自分で考えて意思決定したことには、その結果がどうであれ引き受けてやっていける。このままでは住民が市政から離れる。自分たちが関わって決めるべきだと考えているのだ」と主張した。
荻原勝昭議員は「市長の言う民主的手続きを踏んだということは、確かに手続きとしてはそうだろう。しかし平成21年の特別委報告のなかで、庁舎建設への検討課題として「あらゆる市民から多くのことを聞き、10年後の市財政の姿を示せ」としていることに注目する。まさに市民アンケート、住民投票が求められている。市長は説明責任を果たしていない。住民自治の観点から市民が意思決定すべきだ」と述べた。
猪狩久美子議員は「市は、初めに〝建設ありき〟で出発し、積み上げてきた。地元紙の世論調査でも本庁舎不必要は56%で、必要を大きく上回った。市民のこれからの暮らしにかかわること。このまま建設に走ったのでは禍根を残す」とくぎを刺した。
多数派の原案反対の立場の意見は、平成19年に本庁舎建設等検討特別委が市議会に設置されて以来の市民説明会や建設候補地の住民説明会など、イベントや広報活動を細かく列挙した市長の意見を受けたものが多かった。二元代表制をとる地方自治においては、市長と議会の考えが一致していればそれでよいとする、自治法からは飛躍した意見も多かった。条例案の文言について、第7条の79億8千万円で建設する案と、既存庁舎を生かし必要最小限の規模で整備する案の二択であることへの疑問、第11条との整合性などを指摘する意見があった。
小林純子議員は「条例案は矛盾があるから意味をなさないというが、条例案は素人の住民が懸命に取り組んでつくったものだ。弁護士や司法書士を入れる資金もなかった。細かい内容よりも、条例案の真意を汲み取るべきだ」と指摘した。
(まとめ=「新庁舎」住民投票の会代表・横地泰英)
◆市民の意思を無駄にしないで/赤沼章子さん意見陳述(別紙)
http://junko.voicejapan.net/pro-board/file/1324477076.pdf