市議会委、安曇野菜園の支援策を可決

三セク経営を質すには予算がらみの時しかないのに

 環境経済委員会を傍聴しました。注目の議案は補正予算。市は安曇野菜園再建のため、「ふるさと雇用再生特別事業」として一般会計補正予算に438万円を計上。この補正予算の是非をめぐって、所管の環境経済委員会ではどのような議論が交わされるのか、見届けなければと思い出掛けました。
 活発な質疑、発言が続き、これまでにない盛り上がりを見せましたが、いざ採決となると反対討論もなく修正案が出るでもなく、あっさりと補正予算は可決されてしまいました。
 採決に先立って、「そもそも資本金が少なすぎた。3億円ぐらいあったら大丈夫だったのに・・・」と発言する議員がいたり、「いまさら何を言うか!」とヤジの一つもとばしたい気持ちでした。
 「資本金が少なすぎた」というのは、その通りです。であればこそ、資本金6千万円で事業を開始した三郷村行政の責任を見逃すわけにはいかないのです。

 以下、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんの報告です。

◆市議会委、安曇野菜園の支援策を可決/経営陣に外部から人材
 安曇野市議会の環境経済委員会(濱昭次委員長、委員7人)は09年9月7日、経営不振が続く三セク、安曇野菜園(旧三郷ベジタブル=西山馥司会長)の経営支援策などを盛り込んだ21年度補正予算案を可決した。麻生首相が総選挙前に打ち出した景気対策に乗った施策で、「ふるさと雇用再生特別事業」(補正額438万円)。市産業観光部によると、県外も含めた外部の経営専門家と2年半の契約を結ぶ。新規トマト事業開発を進め、企業の力を伸ばし経営改善につなげるとしている。

 委員からは①経営支援よりも技術支援が先決②安曇野菜園の経営シミュレーションはどうなっているか③安曇野菜園との詰めはできているのか④三セクのあり方を考えないといけない、などと質問が出た。

 二木産業観光部長、松枝農政課長らは①技術支援はカゴメにお願いし、月1〜2回指導を受ける②シミュレーションは本日は間に合わなかった。9月定例会に諮る③田中常務と外部経営専門家とは別。今回事業費を田中常務給与にするわけにはいかない、などと説明した。7委員全員が発言するなど、論議は1時間以上に渡った。しかし、委員の指摘は、感想や栽培施設の問題点の繰り返しにとどまり、反対討論なしで可決。平林市長が定例会初日に表明した「事業継続」の前提ともいえる雇用再生事業は、本会議に回った。委員会論議の中では「三セク経営を問うには、予算がらみの時しかない」という認識も示されたものの、予算修正案の提案も結局なかった。

 年俸750万円(住宅手当を含む)で招く外部専門家が、はたして安曇野菜園経営を立て直せるか。カゴメも技術力の集積はあっても、収量をあげる確約は避けたという。国が「ばらまき」で出してくれる予算に乗っかって使える国費は使うことに、慨嘆めいた委員発言もあったが、現委員最後の環境経済委は終わった。(報告・横地泰英)