2009年度安曇野市一般会計予算は賛成多数で可決

表決にあたって小林じゅん子は反対討論しました

 安曇野市議会に限ったことではありませんが、「会議において発言しようとする者は、原則としてあらかじめ議長に発言通告書を提出するものとする」という会議規則があります。3月定例会最終日の表決に先立っての討論については、17日午後5時が発言通告書提出の期限でしたが、私は午後3時過ぎにやっと5本の発言通告を書き上げ提出しました。ところが、せっかく書いていった賛成討論の通告書は「賛成討論は反対討論があった場合にしか(発言を求められ)ないので、通告書は要りません」と、受け付けてもらえませんでした。

 提出された議案は「これで良い」という前提で提案されているので、黙って賛成してもかまわないが、反対するには理由が必要ということなのでしょう。
 それにしても、いつも釈然としないのが、いざ表決に先立って討論が行われると、反対討論に対して、通告書が出ていない(出さなくていい)賛成討論が必ずあることです。だいたいが、反対討論する議員は共産党の4人と私ともう一人か二人ぐらいですが、そうすると必ず五一会(14人の与党会派)から賛成討論があるのです。どうやって割り振りしているのだろうとかとツマラナイことを考えたりすると、そのうちに五一会のために通告書を書かされているような錯覚さえ覚えて・・・ やっぱり釈然としないわけです。

 さて、それはそれとして、以下に小林じゅん子の討論を掲載しますので、ご覧ください。(4本ありますので、続きは次のページへどうぞ)

◆2009年度(平成21年度)安曇野市一般会計予算に対して、反対の立場から討論いたします。
 100年に一度と言われる大不況のなか、安曇野市においても法人市民税は大きく落ち込むと予想され、その他市税の増加も見込める状況にはありません。このような厳しい財政状況にあって、健全財政を維持しようと努力していることに対しては一定の評価をしたいと思います。
 しかし、いくつか賛成しかねる点があり100%賛成というわけにはいきません。予算全体から見れば部分的とはいえ、自治体の予算編成の基本に反するような予算計上を認めるわけにはいかないので、あえて反対の立場をとります。
その「部分的に賛成しかねる点」ですが、一つは安曇野菜園の施設使用料が歳入に計上されなかったこと、二つには三郷堆肥センターの施設・設備改修に500万円が計上されたこと、三つには厳しい国保会計に対して一般会計から約2,800万円ほどしか繰り出ししないこと、以上の3点です。

 安曇野菜園の施設使用料については、支払いを猶予しているため、そもそも歳入として予算計上されていません。施設使用料の大幅な減額や支払い猶予など、市の財政に大きな影響を及ぼすものであるにもかかわらず、予算計上がないからと何の説明もありません。この事業のために9億1,110万円を起債しており、交付税措置分を除いても毎年7,000万円余りを2014年までかけて償還しなければならないこと、市が損失補償している安曇野菜園の借金が2億円近くあること、安曇野菜園の経営はさらに厳しくなっていることなど、説明責任を果たしていません。単に施設使用料の問題ではなく、市政運営の基本にかかわる問題だという認識に欠けています。

 三郷堆肥センターについては、開業以来修繕費の浪費が問題になっていましたが、今回もまた屋根の修理費や施設の老朽化の状況を調査するための費用などに500万円近くの予算が計上されています。
 市出資法人あり方検討委員会は先に提出された意見書のなかで「自立的な経営は極めて困難」とし、今後も堆肥センターの改修費負担が増大すると見込み、「利用畜産農家が経営主体とならないなら、施設の存廃など抜本的に見直す必要がある」と指摘しています。事業の継続や法人の存立にまで踏み込む判断を求めているにもかかわらず、市の対応はきわめてあいまいなままです。この状態で今後3年間も、それも毎年1000万円以上もの公費負担をして堆肥センターを維持していくなど、考えられないことです。結論とツケを将来に先送りして新年度予算案を通す形であり、これを認めることはできません。

 3点目の問題、国保会計に対して一般会計から約2,800万円を繰り出したことについては、議案第4号安曇野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に対する反対討論で述べたとおり、保険料で急増する医療給付をまかなうのは無理があり、国が補助率を下げたために、構造的に市町村が一般会計から繰り入れをしなければならないようになっているのが現状です。そのうえこの不況です。2,800万円などと言わず、一般会計から基金を取り崩してでももっと繰入金を増やし、国保税の引き上げを抑えるべきです。一時しのぎにすぎないとしても、今はそれが必要な時だと考えます。
以上、私の反対討論といたします。