「堆肥センター」意見書生かされず

環境経済委員会は堆肥センター指定管理をあっさり可決

 安曇野菜園の第6期第1四半期実績三郷農業振興公社(堆肥センター)の経営改善計画については、先月10日に全員協議会で報告がありましたが、いずれも「時間がない」というツマラナイ理由により、充分な議論がないまま3月議会に突入。せめて予算や指定管理者の指定の議題のなかで追及してほしい、との期待を込めて、今日は環境経済委員会を傍聴しました。
 が、しかし、その期待は空振りに終わりました。安曇野菜園については何の言及もなく、堆肥センターは「つぶすわけにはいかない」という流れしか見えませんでした。
 以下、傍聴者からレポートです。

「堆肥センター」意見書生かされず
     安曇野市議会委 指定管理あっさり可決


 安曇野市議会は09年3月3日、環境経済委員会(浜昭次委員長)を開き、21年度予算案の同委員会分、指定管理者の指定など関係議案を審議した。経営不振で赤字を累積させている第3セクター問題の取り扱いが注目されたが、簡単なやりとりが短時間あっただけで、あっさり可決。傍聴席の市民らは、拍子抜けだった。

 第3セクター三郷農業振興公社の堆肥センターについて、一般会計予算案審査で青柳吉宏議員(共産)が「いろいろ意見があるようだが、方向性をきちんとだしてほしい。見通しがはっきりしないまま税金を使うのは疑問」などと質問。平林農政課長は「堆肥センターにはし尿処理以外に環境を守る役割がある。簡単になくすことはできない。数年内になくすには、今のセンターをどうするか。どちらにしてもリスクがある。三郷農業振興公社は、検討を踏まえて経営改善計画が出てきた。できる、できないではなく、やってもらわなければならない。運営が滞ればしかるべく判断することになる」などと答えた。具体性を欠く説明だったが、青柳議員は「あすつぶすというわけにはいかない。早い時期に方向性を見つけてほしい。要望しておく」とあっさりしたやりとりで終わった。

 三郷農業振興公社については、安曇野市が経営点検を諮問した「市出資法人あり方検討委員会」(河藤佳彦委員長)が「自立的な経営は極めて困難」とし、堆肥センターは市の改修費負担が多大になると見込み、「利用畜産農家が経営主体とならないなら、施設の存廃など抜本的に見直す必要がある」と指摘した。この意見書を受けて、環境経済委員会は具体的な議論を展開するチャンスだったが、委員会のやりとりでは「あり方検討委」も「意見書」もまったく登場しないまま、指定管理の3年継続に全員が賛成した。

 一般会計予算案の審査では、より問題が大きい第3セクター、安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)についての質疑もありえたが、まったく展開されないまま終わった。堆肥センター存廃まで踏み込んだあり方検討委の意見書が、突っ込んだ議論の引き金になることを期待していた傍聴市民は「なんのための諮問か。委員会は、あまりにも行政側ペース」と拍子抜けだった。                       
(報告・横地 泰英)

 「行政側ペース」と思われる発言で最も印象に残ったのは「堆肥センターの目的は環境改善なのだから経営改善ばかり言ってもダメ。収益なくていい。」というもの。堆肥センター一般論ならそうかもしれませんが、三郷堆肥センターには当てはまりません。私ならこう反論します。「百歩譲っても環境改善にはなっていない。糞尿の野積みは続いている。」「収益を上げろなんて高望みはしていない。市は毎年1200万円(委託料、借地料など)もの費用負担をしているのだから、せめて赤字は出さないで。」「まともに仕事をすれば年間800万円もの修繕費はかからない。」等々・・・