部分公開といっても事実上の非公開で、写真(27ページのうちの一部)のように数字や数値はすべて墨塗りでした。
担当者に「部分公開の決定をしたのは誰か?」と尋ねると、「市長名の文書ですから、市長ということになります。」というので、「そりゃそうだけど、実際に市長が決めたわけではないでしょ。公開できないと判断し、部分公開の指示を出したのはだれか?」と詰め寄ると、「それは、ちょっと、さしさわりがあるので、私からは言えません。」と逃げの一手。
安曇野市情報部分公開決定通知書によると、「公開することにより当該法人等に不利益を与えることが明らかであると認められるため」という理由で部分的な公開としていますが、「不利益を与えることが明らか」と言っているだけで、不利益の内容についてまったく説明がなく、部分公開とした具体的根拠も何一つ示されていません。「ダメって書いてあるからダメだ」と言っているのと同じで、なんの説得力もありません。
また、情報公開条例第7条第3項のただし書きには「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。」とあり、安曇野市の財産であるトマト栽培施設や株式会社三郷ベジタブルへの出資金をはじめ、市民の財産を保護するという視点を欠いた判断だと思います。
指定管理者の選定・指定についていえば、その審議過程の透明性が求められる時代に入っているのですから、行政に都合のよい情報開示でお墨付きを与えてしまうことがないよう、申請書や関連する添付書類、審議記録等を保存するとともに、公開に努めなければならないはずです。
そこで、下記のように情報公開について異議(不服)申立をすることにしました。(請求した公文書が公開されない等その決定に不服があるときは、行政不服審査法による不服申立てができることになっています。)
————————————————————
処分庁 安曇野市長 平林伊三郎 様
2007年12月25日
異議申立人 小林純子
異 議 申 立 書
次のとおり異議申立をする。
第1項 異議申立人の住所・氏名・年齢
住所:〒399-8301安曇野市穂高有明2104−10
氏名:小林純子 53歳
第2項 異議申立に係る処分
2007年12月18日付けの異議申立人に対する公文書の部分公開決定処分(19三産振Aア−17第12号)。
第3項 異議申立に係る処分があったことを知った年月日
2007年12月20日
第4項 異議申立の趣旨
安曇野市長は、異議申立人の「安曇野市第三セクター㈱三郷ベジタブルに関する文書(株式会社三郷ベジタブルが旧三郷村に提出した指定管理者の指定に係る申請書と添付書類)」に関する公文書公開請求に対して、安曇野市情報公開条例(以下「情報公開条例」)第7条第3号に該当するとして部分公開の決定をしたが、これは情報公開条例を適切に運用しているとはいえない。したがって、安曇野市長は、部分公開決定処分(19三産振Aア−17第12号)を取り消し、全面公開すべきである。
第5項 異議申立の理由
(1) 異議申立人は、2007年12月4日、処分庁(安曇野市)に対して、情報公開条例に基づき、安曇野市第三セクター株式会社三郷ベジタブルに関する文書(株式会社三郷ベジタブルが旧三郷村に提出した指定管理者の指定に係る申請書と添付書類)の情報公開請求をした。
(2) 処分庁(安曇野市)は、2007年12月18日、(1)の請求に対し、部分公開決定の処分(以下「本件処分」)を行った。
(3) しかし、本件処分は、次の理由により条例違反である。
情報公開条例第7条第3項によれば、「法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報で、公開することにより当該法人等又は当該事業を営む個人に不利益を与えることが明らかであると認められるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。」となっている。
本件処分では、「公開することにより当該法人等に不利益を与えることが明らかであると認められるため」として部分的な公開としているが、「不利益を与えることが明らかである」と言っているだけで、不利益の内容についてまったく説明がなく、部分公開の具体的根拠も示されていない。
また、情報公開条例第7条第3項のただし書きには「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。」とあり、安曇野市の財産であるトマト栽培施設や株式会社三郷ベジタブルへの出資金をはじめ、市民の財産を保護するという視点を欠いた判断である。
指定管理者の選定・指定にあたっては、その審議過程の透明性が求められる時代に入っている。行政に都合のよい情報開示でお墨付きを与えてしまうことがないよう、申請書や関連する添付書類、審議記録等を保存し、かつ、公開に努めなければならない。
安曇野市行政が公正、公平に事務事業を執行していることが公知されるためには、本件情報が公開されることが必要で、公開によってこそ市政への理解と信頼が高まるのである。
(4) 以上から、本件処分に至る原因は安曇野市にあることを認め、情報公開条例を適切に運用するよう求めて本申立に及んだ。
第6項 処分庁(安曇野市)の教示の有無及びその内容
「この処分に不服がある場合には、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、市長に対して異議申立てをすることができます」との教示があった。