4,090円、この金額は65歳以上の高齢者が払う介護保険料の全国平均月額(4月改定)です。改定前の全国平均3,293円から、約25%のアップ。大幅な値上げとなりました。平均額を3,900円程度に抑えるために、施設入居者の居住費や食費などを自己負担にするなど、法改正をしたにもかかわらず・・・
安曇野市では、4月から保険料が旧5町村から一本化されましたが、やはり値上げは避けられませんでした。65歳以上の高齢者が払う介護保険料を見ると3,910円で、全国平均よりは低くなっていますが、安曇野市でも高齢化は進んでおり、介護を必要とする人は増加傾向にあるので、この先安心してはいられない状況です。
介護保険は「自立支援」「自己決定」「介護の社会化」(家族、特に女性を介護から解放する)という点で、一定の成果はあったものの、いつの間にか乏しい国のフトコロに内容を合わせる形になってしまいました。
安曇野市でも、この4月からの制度改正により、デイサービスやショートステイの利用回数を減らす人が増えています。それも、低所得者よりも普通程度の所得の人に負担が重くなる傾向があり、この層では11人中8人が利用を控えるようになったそうです。
こういった現状を受けて介護保険利用料の減免等を求める請願書も提出されており、市独自の減免制度を考える必要があるのではないか。また、なにより介護保険はこれでいいのか、本気で考え声を上げていかなければと思います。
◆障害者自立支援法
この4月、障害者自立支援法が施行されましたが、今日の委員会では、市の担当者から全国社会福祉協議会製作のパンフレットを参考に詳しい説明がありました。
厚生労働省は「障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現をめざします」「障害のある人々の自立を支えます」と言っていますが、はたして本当にそうなっていくでしょうか。障害者の声、現場に関わる当事者の声を聞くと、この法律が「自立支援」になるのかどうか、よく分からなくなってきます。
これまでの支援費制度(2003年施行)が利用者の急増により、サービス費が増大し財源不足となってしまったため、この自立支援法に移行しただけではないのか。介護保険と同じで、カネがないからという国の事情が根底にあるというのに、「障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現をめざします」といわれても、なにか空々しい気がします。障害者自立支援法は『障害者自立し得ん法(し得ない法)』だと言った人がいて、ついナルホドと感心してしまいましたが、感心している場合ではなくて、そんなことにならないように注視していかなければと強く思いました。