このグループの皆さんは、学齢期のお子さんを持つ父母が中心となっています。子どもたちのためには、どのような教育環境や教育内容がよいかなどを考えるために作った会だと聞きました。松本市との合併にあたっては、四賀地域の4小学校の統合問題にはふれられることがなく、大事な問題を避けてきたような感は拭えず、この際、行政に頼ってばかりではなく自分たちで考えていこうと、まずは研究会をやろうと活動開始したのだそうです。
参加者の方からは「年配の方々にとっては、過去の合併の歴史のなかで、地域の拠点、精神的支えとしての学校を残そうと守ってきた4小学校ですから、「学校統合」の話題は触れてはならない事とという意識があるのか、口に出すのもはばかられるような雰囲気がある・・・」という話を聞き、それも無理ないことと思いました。
でも、統合するか・しないか、さまざまな立場、視点から、それぞれのメリット、デメリットはあり、それを理解したうえで「我が四賀地域ではどうするのか」、いや「どうしたいのか」を探っていかなければならない時期が来ているのも事実。やはり避けては通れない事です。
そこで重要なのは、合併したから「学校統合」へ、という発想からスタートするのではなく、地域のみんなが自分のこととして考えていくこと。そうでないと「地域の学校」は守れないと思います。ある日突然「四賀地域の児童数は減少傾向が著しい。この際、浅間温泉の本郷小学校へ通ってもらうようにしたらどうか」なんてことにもなりかねない。そうなったら、四賀の地域性、自然、風土、文化・・・ 子どもたちにとってまさに地に足の着いた、地域に根ざした教育とは程遠いものになってしまいます。集まった方々は10人ほどでしたが、会場からもそんな気持ちが強く感じられました。
会のみなさんは、タブー視されている感のあるこの「学校統合」の問題を、まずはざっくばらんに話してみませんかというスタンスで、2ヶ月に1回のペースで学習会を開き、住民の関心を喚起していきたいと話しておられました。
さて、私は今回のテーマでは講師としてはまったく不十分だったと思っていますが、教員として学校のなかから、親として外側から、議員としては行政側の思惑も見える、ということで個人的な経験談をさせていただきました。体系だったまとまった話ではなかったので、どうかな?と心配しましたが、主催者側の方からは「この前の学習会は、エライ先生に来ていただいた、ということなのか硬い雰囲気になってしまい、ほとんど意見交換ができなかったんです。今日はこんなに意見が出てビックリしてます。よかったです。」という言葉をいただき、ほっとした私でした。