①住民基本台帳の閲覧制度の改善について
何の心当たりもなく届くダイレクトメール、その多くが住民基本台帳の閲覧制度を利用して情報収集したものであろうことは想像がつきます。あまり気持ちのいいものではありませんが、まさかこんなひどい事まで、というような事件も起きています。名古屋市で、住民基本台帳の閲覧制度を悪用して母子家庭を調べだし、わいせつな行為をはたらいていた男が逮捕されたというのです。このような深刻な事態を招いた要因には、住民情報の大量閲覧を認めている住民基本台帳法の問題があります。
個人情報保護を叫ぶ一方で、自治体が個人情報を合法的に流出させるこの仕組みが相変わらず続いていることには、大きな矛盾があると考えています。この矛盾は、住民基本台帳法の改正をしなければ、基本的には解決しない問題です。しかし、国の法律の改正を待っていたのでは、その間にもどんどん個人情報が危険にさらされることになります。
住基台帳法は大量閲覧を認める根拠にはなっていますが、実際にどのように制度を運用するかは自治体の判断に委ねられています。住基台帳法11 条2 項は閲覧目的を明示することを求め、同条3 項は不正な目的等の場合は閲覧を拒むことができると定めています。ですから、自治体は閲覧制度の運用を抜本的に見直し、住民の個人情報を守り安心・安全を守る方向で改善すべきです。
閲覧申請の手続きを厳格にするなど、すでに配慮されている面もありますが、住所順や世帯別になっている基本台帳をアトランダムに並べ替えた閲覧用の台帳を作ることも有効ではないかと考えます。安曇野市のスタートに合わせ、すぐにでも対応できるように穂高町から提案することはどうでしょうか。
②安曇野市に住む外国人を市民としてしっかりと位置づける政策について
このところ、就労を目的とする日系ブラジル人、中国人を中心に多くの外国人が来日され、現在、穂高町には永住の外国人も含めると1000人余りの方々が在住しておられます。この数字を見れば、穂高町は既に国際都市といえなくもありません。しかし、そのなかには、ことばや、生活習慣の違いにとまどいながら、不安定な雇用実態や、社会保障に対する不安、子どもたちの教育や就学の悩みを抱えながら生活しておられる方々がたくさんあります。
外国人住民のみなさんが、地域の一員として暮らしやすい穂高町になっているかというと、そこには大きな疑問符がついてしまう現実が、残念ながらあるということです。
さいわい、合併後は本庁に外国人に対応する窓口ができるということですが、安曇野市全体でみると外国人の数は2400人にもなりますから、この広い地域にたった1箇所では非常に利用しにくいものになりはしないか心配です。
もっと身近な形で、外国人住民が地域の一員として暮らしやすくなるように、日本語や外国語が学べる教室を設けたり、外国語による生活関連情報の提供や、異なる文化や生活習慣、価値観を互いに理解しあう日常的な交流の場を作るなど、具体策が必要だと考えます。
地方自治法は「市町村の区域内に住所を有する者は住民である」としており、外国人であっても「住民」ということに変わりはありません。そして何より、同じ人間として、同じ地域に暮らす隣人として、外国人もともに大切にされる安曇野市でありたいと考えますが、いかがでしょうか。
※答弁を含めた報告は後日に。