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いくつかのMLですでにご存じと思いますが、ジェンダーフリーバッシングが拡大し、ついに国会その他での政治家などの発言の中に、「ジェンダーという用語を使うな」、「大学のジェンダー関連講義を廃止せよ」という発言が登場し、さらに男女共同参画基本法に対する攻撃まであらわれました。事態の変化は予想以上に急速かつ深刻と思われます。
「ジェンダー」という用語は、国際的にも学術用語として確立しており、ジェンダー研究において分析カテゴリーとしての「ジェンダー」概念の有効性は証明されています。このような形でジェンダー概念を強制的に使用できなくされるとすれば、それは、「学問の自由」に対する侵害ともなりかねません。このような事態に対して、多くの方々が憂慮を共有してくださると考え、できるだけ効果的な対抗を実現するために、以下のことを関連の学会、研究者、アクティビストのみなさんに呼びかけたいと思います。
1)国会その他でのジェンダーフリーバッシングに関連する情報をできるだけ迅速に共有するために、情報の流れを整備すること。
この件については、マスメディアは有効な情報源として機能していません。代替的な情報流通のネットワークが必要です。情報を提供してくださる方はいらっしゃいますが、受け取り側の情報の流れが出来ていません。それゆえ、「ジェンダー関連学会情報ネットワーク」のような情報ネットワークを構築することを提案いたします。もし賛同されましたら、個人でも学会名でも結構ですから、以下のメール・アドレス(gc@l.u-tokyo.ac.jp)にご連絡ください。以降の対応についてご相談したいと思います。
さらに、各関連学会に流れた情報を出来うる限り迅速に各会員その他隅々まで流せるように、MLをもっておられない学会・団体ではおつくりくださる方向でご検討いただければ幸いです。
2)学会、団体、有志、個人等で、「ジェンダー研究」に対する現在の政治的状況に対し、研究者あるいは学会員としての皆様のご意見を、出来るだけ多く公的に表明していただきたいこと。
今やどの学会においてもジェンダー部会の見られないところはありませんし、ジェンダーを名前に含む学会もできました。大学でジェンダー研究の教育プログラムを持っているところもたくさんあります。このような学会組織や教育プログラムは、大学あるいは研究関係者の先輩方のご努力の成果であり、大切にするべきものです。現在の政治状況では、こうした先人のご努力を無に帰すような結果になるかも知れません。遅すぎた、と後悔する前に、是非ご一考くださいますよう、お願いいたします。
以上、ご賛同いただけるようでしたら、
以下の呼びかけ人リストにご自分の名前を加え、関連の学会、団体、個人のMLもしくはメイルアドレスへ、ご転送ください。
さまざまな立場の方たちが、さまざまな方法で協力し、この事態に対処していければと、念じています。
《呼びかけ人》上野千鶴子、江原由美子、寺町みどり(50音順)+小林純子