これで住民と行政の協働といえるのか

県営烏川渓谷緑地市民会議は一時活動中止に

 14日に開催された県営烏川渓谷緑地・森林エリアの開園記念イベントの案内には「県営烏川渓谷緑地は、住民と行政が一緒になり、森づくりができる都市公園として整備することで、新しい森へと生まれ変わろうとしています。」とありました。会員募集の謳い文句には「広く地域の皆さんの意見や要望をお聞きし、地域の皆さんとともに考え、ともに育てていく<場として平成16年2月に『烏川渓谷緑地市民会議』を設置し、検討を重ねています。」とあります。
 しかし、今夜の第20回市民会議は、それらの方針や言葉は何だったのかと落胆するのを通り越して、怒りの気持ちさえわいてくるような事態に。

◆市民会議のZさんが事の次第をまとめてくれたので、以下に報告します。
 26日の市民会議は、全員が切れてしまいました。
①市民会議のメンバーが、自費で購入した森づくりに必要な備品代は、県を通さなかったので払えない。
②市民会議のメンバーは、3月末で保険が切れたので、保険に入っていない。
 この2点をポーカーフェースで、当たり前のことのように県の担当者は答えたのです。あきれて物が言えないばかりか、これまでの熱意が一気に冷めてしまい、笑うだけで返す言葉もありませんでした。県の意識やシステムがまったく変わらないのなら、市民会議はやめようという雰囲気が、一気に漂いました。

詳しく言うとこうです。
①開園イベントの準備でMさんが立て替えた6000円ほどの備品代について、正式な手続きを踏んでないので県では払えない。Mさん個人持ちとなる。
 カタクリの植生調査のための必要な備品で、いちいち県にお伺い立てていては間に合わないので、Mさんが安くていいものを購入してきて、自分で器具を作りました。本来は県が用意するべきものです。Mさんはイベントの3日前から、毎日朝5時から準備していたのです。
 しかしたった6000円も、県の職員と一緒に行って買わなかったから払えないというのです。現場で一々そんなことができるわけはありません。完全なお役所仕事です。
 これにはその前段の県の態度が尾を引いていました。というのは県から、3月末までに必要な備品は買うのでリストを出してくれといわれたので出したところ、急に方針が変わってやはり買えなくなったと。その代わり「何とかする」と言ったのです。だから必要な備品は何とかなると思っていました。
 しかし4月に新しく入った担当者は「そのことは引き継いでいないので」今回は払えない、と言い切ったのです。他の前からいた職員もそのことを新しい担当者に話していませんでした。
 結局、市民会議が信大のK先生からカンパでもらったお金の9000円の中からMさんに費用を渡すことにしました。

②3月末で保険が切れたので現在保険には入っていない。
 活動は保険に入ることが前提条件です。しかしその手続きをしていませんでした。市民会議のメンバーは保険に入っているとばかり思って、4月からも作業してきました。実際ケガをした人もいます。県の職員は労災があるから心配ないですが、こんなことでは市民会議のメンバーは「いいように利用されている」としか思えません。

 以上から、会員全員がこれまで情熱だけでがんばってきたのに、その熱意が一気に冷めてしまいました。こうした理由から、豊科建設事務所長や都市計画課長だけでなく、県の最高責任者である知事から納得のできる説明が得られるまで、すべての活動を中止することにしました。