私自身は「喜んで出席させていただきます」という気持ちにはなれず、しかし「見届けておかなくては」という義務感(いや使命感かな?)で出掛けていきました。そんな私の心情を知ってか知らずか、「小林さん、こっちでどう?」と、と冗談めかして記者席に案内してくれた職員さんがいて、ちょっと和みました。
集まったのは、合併協議会の新旧の委員、新市将来構想の策定に関わった委員、関係5町村の議会議員、来賓の方々など200名ほど。
セレモニーの中心は、5人の首長さんが協定書に一人ずつ署名・押印するステージ。1自治体に1冊づつの協定書、5町村分を順番に署名していくので、けっこう時間がかかりました。そのあと、立会人である5町村の議長さんが、同じように署名・押印。これで2005年10月1日の安曇野市合併はほぼ確実となりました。
その間、大勢の報道関係者や広報担当者が招待者・観衆の前に立ちはだかり、写真やビデオの撮影をしているものだから、こちらからは調印の様子がほとんど見えないのです。司会進行のアナウンスは「報道の皆様、どうぞお近くで・・・」、その場にいる一般人は無視されているようで、とてもイヤな感じでした。
村上豊科町長、平林穂高町長、西山三郷村長、山口堀金村長、尾崎明科町長の5人の首長さんが合併協定書を手に堅い握手を交わす場面は、その場に居合わせながらこの目で見ることはできず、明日の新聞で確認することになりました。
一つだけ評価できたのは、来賓祝辞が1人で終わったこと。これは松本地方事務所長の高見沢さんの祝辞。高見沢さんはオブザーバー的立場で合併協議会にはほとんど参加され、協議の中身はよく承知されていたからでしょう。「安曇野市合併に向けて、これからは住民の力に期待しており、(合併協議会とは別のベースで動き出した)“協働塾”の活動を高く評価する。」という的を射た内容の祝辞でした。
さて、調印式終了後は、5町村の議員はすぐに地元へ戻って臨時議会となりました。議会では、法定合併協議会の合併協定書調印を受けて、廃置分合(5町村を廃し、その区域をもって「安曇野市」を設置する)議案を議決し、5町村の賛成の議決を受けて県知事に合併の申請をすることになっているのです。この臨時議会については、次のページで報告します。