さっそく言われたとおりに家の中に入れ、時々霧吹きで湿気を補いながら様子を見ました。日毎に蕾が膨らみ花びらの黄色が鮮やかになってきます。その’まあるい’丸い蕾の何と愛らしいこと。そのうちに、どこからともなく甘くすがすがしい香りが漂ってくるではありませんか。こういうのを気品のある香りというのでしょうか、思いがけないよい香りに、蝋梅が大好きになりました。それから毎年、お正月には一足早い春を蝋梅のおかげで楽しんでいます。
寒さの厳しい時期に咲いてくれるのも、花の少ない酷寒の信州にあっては嬉しいこと。例年は2月末から3月にかけて咲き始めますが、今年はこれまで暖冬だったせいか立春の頃には咲きそうな気配です。真っ青な空に艶やかな黄色の花のコントラストが、春の訪れを告げてくれることでしょう。
さて、その蝋梅(ろうばい)ですが、中国が原産で日本には17世紀頃に渡来したといわれます。中国では『蝋梅花』『黄梅花』として薬用にも用いられるそうです。名称の由来は、黄色い花が半透明で蝋細工のような姿と梅のような蕾の形から「蝋梅」、蝋月(陰暦の12月)に咲くからとも。とはいえ、梅はバラ科、蝋梅はロウバイ科で、まったく別の分類になります。
気になる花言葉は「先導、先見」とありました。1年前、私の好きな冬青(ソヨゴ)の木によせて新年のページを書いたとき、冬青の花言葉が「先見の明」だと知って驚いたのですが、今年も「先導、先見」とう言葉が出てきてビックリしています。これまでにも増して「先見の明」をもって、「先導役」となれるよう努力せよと、叱咤激励をいただいたような気持ちです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。